「うちの薬局、今の売上構造で大丈夫なのか?」——経営者であれば一度は考える問いです。薬局の収益は処方箋枚数×単価だけでは語れません。技術料、薬価差益、在宅報酬、OTC販売など複数のチャネルで構成されています。
本記事では、薬局の売上構造を分解し、利益を最大化するためのバランス設計を解説します。
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- 薬局の収益は処方箋枚数×単価だけでは語れず、技術料・薬価差益・在宅報酬・OTCなど複数チャネルで構成される。
- 本記事は売上を構成する4つの柱に分解し、利益を最大化するバランス設計を図解で解説。
- 技術料が低下する局面では、在宅報酬など「対人業務」の比率をどう高めるかが利益の鍵。
薬局の売上を構成する4つの柱


| 収益源 | 構成比(一般的) | 特徴 |
|---|---|---|
| 処方箋調剤(技術料) | 70〜80% | 安定収益。改定の影響を受ける |
| 薬価差益 | 5〜10% | 後発品比率・仕入れ交渉次第 |
| 在宅医療報酬 | 5〜20% | 成長分野。単価が高い |
| OTC・物販 | 3〜10% | 粗利率が高い |
処方箋調剤の収益構造
1枚あたりの収益内訳
| 項目 | 金額(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| 調剤基本料 | 200〜470円 | 薬局の区分により異なる(調剤基本料1は47点=470円) |
| 薬剤調製料 | 240円+加算 | 薬剤調製料24点。剤形・無菌製剤処理等の加算あり |
| 調剤管理料 | 40〜600円程度 | 調剤管理料4〜60点程度。処方内容・日数による |
| 薬学管理料 | 400〜600円 | 薬歴管理料+各種加算 |
| 薬剤料 | 1,000〜5,000円 | 処方内容による |
| 技術料合計 | 1,000〜1,500円 | 薬剤料を除いた実質収益 |
※ かつての「調剤料」は、2022年度改定で「薬剤調製料」と「調剤管理料」に再編されています。
調剤基本料の区分(2026年6月改定施行後)
| 区分 | 点数 | 条件 |
|---|---|---|
| 基本料1 | 47点 | 一般的な薬局 |
| 基本料2 | 30点 | 特定医療機関の処方箋が70%以上 |
| 基本料3イ | 25点 | 大型チェーン+集中率85%以上 |
| 基本料3ロ | 20点 | 大型チェーン+集中率95%以上 |
| 基本料3ハ | 37点 | 大型チェーン(同一グループ月40万枚超) |
| 特別調剤基本料A | 5点 | 敷地内薬局 |
| 特別調剤基本料B | 3点 | 調剤基本料の届出を行っていない薬局 |
在宅医療の収益構造

在宅1件あたりの収益
| 項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 訪問薬剤管理指導料 | 6,500円(単一建物1人の場合) |
| 薬剤料 | 5,000〜15,000円 |
| 各種加算 | 500〜3,000円 |
| 1訪問あたり合計 | 12,000〜24,000円 |
外来vs在宅の収益比較
| 項目 | 外来1枚 | 在宅1件 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 技術料 | 1,200円 | 7,000〜9,500円 | 約6〜8倍 |
| 所要時間 | 10〜15分 | 40〜60分 | 約4倍 |
| 時間あたり収益 | 5,000円/時 | 8,000〜12,000円/時 | 約1.5〜2.5倍 |
在宅患者数別の月間収益
| 在宅患者数 | 月間在宅収益 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 5名 | 15〜25万円 | 3〜5% |
| 15名 | 45〜75万円 | 8〜15% |
| 30名 | 90〜150万円 | 15〜25% |
| 50名 | 150〜250万円 | 25〜40% |
薬価差益の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 薬価(販売価格)と仕入価格の差 |
| 一般的な差益率 | 8〜15% |
| 差益を増やす方法 | 後発品の使用促進、仕入れ交渉、共同購入 |
| 注意点 | 薬価改定ごとに差益は縮小傾向 |
後発品比率と薬価差益の関係
| 後発品比率 | 薬価差益率(目安) | 調剤報酬上の評価 |
|---|---|---|
| 60%未満 | 5〜8% | なし |
| 60〜80% | 8〜12% | なし(後発品単独の体制加算は2026年改定で廃止) |
| 80%以上 | 10〜15% | 地域支援・医薬品供給対応体制加算の後発品要件として評価 |
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理想的な収益構成(在宅薬局の場合)
| 収益源 | 目標構成比 | アクション |
|---|---|---|
| 処方箋調剤(技術料) | 55〜65% | 加算の算定漏れ防止 |
| 在宅医療報酬 | 20〜30% | 在宅患者を30名以上に |
| 薬価差益 | 8〜12% | 後発品80%以上、仕入れ交渉 |
| OTC・物販 | 5〜10% | セルフメディケーション提案 |
月商別の経営指標目安
| 月商 | 処方箋枚数 | 在宅患者 | 薬剤師数 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 500万円 | 800枚 | 10名 | 2名 | 5〜8% |
| 800万円 | 1,200枚 | 20名 | 3名 | 8〜12% |
| 1,200万円 | 1,800枚 | 30名 | 4名 | 10〜15% |
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 最大の収益源 | 処方箋調剤だが、成長力は在宅にある |
| 在宅の優位性 | 時間あたり収益が外来の1.5〜2.5倍 |
| 利益率のカギ | 在宅比率20%以上+後発品80%以上 |
| 経営の安定 | 収益源を分散させてリスクヘッジ |
この記事は公開されている薬局経営データおよび筆者の実務経験に基づいて作成しています。
参考リンク
よくある質問(FAQ)
Q. 薬局の売上は何で構成されていますか?
A. 処方箋調剤の技術料(構成比70〜80%)、薬価差益(5〜10%)、在宅医療報酬(5〜20%)、OTC・物販(3〜10%)の4つの柱で構成されます。技術料が安定収益の中心ですが、成長力は在宅にあります。
Q. 外来と在宅では収益性はどのくらい違いますか?
A. 本記事の試算では、技術料は外来1枚あたり1,200円に対し在宅1件7,000〜9,500円と約6〜8倍です。所要時間を考慮した時間あたり収益で比較しても、在宅は外来の約1.5〜2.5倍と有利です。
Q. 在宅患者数はどのくらいで収益の柱になりますか?
A. 在宅患者30名で月間90〜150万円、薬局全体の収益の15〜25%程度になる目安です。在宅薬局の理想的な収益構成では在宅医療報酬の目標構成比は20〜30%とされており、在宅患者30名以上が一つのラインになります。
Q. 薬価差益を増やすにはどうすればよいですか?
A. 後発品の使用促進、仕入れ交渉、共同購入が主な方法です。後発品比率80%以上で薬価差益率10〜15%が目安です。後発医薬品調剤体制加算は2026年度改定で地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合され、後発品調剤率はその要件として評価されます。ただし薬価改定ごとに差益は縮小傾向にある点に注意が必要です。
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最終更新日:2026年6月13日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。
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出典・参考(一次情報)
本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。
- 厚生労働省(診療報酬・介護報酬の告示・通知・疑義解釈資料)
- WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)(介護報酬・介護保険制度の解説)
- e-Gov法令検索(健康保険法・介護保険法などの条文)

