処方箋1枚の利益は300〜500円|調剤薬局の収益計算と利益率【2026年版】

処方箋1枚の利益は300〜500円|在宅ファーマ
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「処方箋1枚でどれくらい儲かるのか?」——薬局経営を考えるうえで避けて通れない問いです。しかし、この数字は処方内容・立地・規模によって大きく変わります。本記事では、処方箋1枚あたりの利益構造を分解し、薬局の収益改善に活かせる視点を解説します。


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目次

処方箋1枚あたりの売上構造を分解する

調剤カウンターで薬を扱う薬剤師の手元
処方箋1枚の中身を分解すると利益の出どころが見える。

処方箋単価の全国平均

厚生労働省「調剤医療費の動向」によると、処方箋1枚あたりの調剤医療費の全国平均は約10,000〜11,000円です(2024年度実績ベース)。

この内訳は以下の通りです。

項目金額(目安)構成比
薬剤料6,500〜7,500円65〜70%
技術料(調剤料・薬学管理料等)2,500〜3,500円25〜30%
特定保険医療材料100〜300円1〜3%

売上と利益は違う

処方箋1枚10,000円の売上があっても、そのまま利益にはなりません

項目金額計算方法
処方箋売上10,000円
薬剤原価▲6,000〜6,500円薬価差益を考慮
粗利3,500〜4,000円売上 − 原価
人件費(按分)▲1,500〜2,000円処方箋1枚あたり
固定費(家賃・光熱費等)▲800〜1,200円処方箋1枚あたり
営業利益300〜500円利益率 3〜5%

薬価差益の実態

薬価差益とは

薬価差益は「薬の公定価格(薬価)」と「実際の仕入れ価格」の差額です。

区分薬価差益率(目安)
先発品5〜10%
後発品(ジェネリック)15〜25%
全体平均8〜12%

後発品の使用比率と利益への影響

後発医薬品調剤体制加算の要件もあり、後発品使用率は利益に直結します。

後発品使用率加算点数月間効果(100枚/日の薬局)
80%以上21点約53,000円
85%以上28点約71,000円
90%以上30点約76,000円

技術料で利益を上げる仕組み

技術料の内訳

技術料は薬局の「腕の見せどころ」であり、利益率が最も高い部分です。

項目点数(例)ポイント
調剤基本料147点処方箋集中率が低い薬局
調剤基本料3-ハ37点大手チェーン等
かかりつけ薬剤師指導料(旧)76点2026年6月改定で廃止→服薬管理指導料に統合。代替はかかりつけ薬剤師フォローアップ加算50点等
服薬管理指導料45〜59点指導内容で点数が変わる
地域支援・医薬品供給対応体制加算27〜67点2026年改定で再編。在宅実績等が要件
在宅患者訪問薬剤管理指導料290〜650点在宅業務の中核

技術料を最大化する3つのポイント

  1. かかりつけ機能の加算を取りこぼさない
  • 旧かかりつけ薬剤師指導料(76点)は2026年6月改定で廃止。現行は「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算50点(3月に1回)」「かかりつけ薬剤師訪問加算230点(6月に1回)」が代替の上乗せになる
  1. 地域支援体制加算を確保する
  • 在宅実績の要件を満たすことで自動的に加算
  1. 在宅業務を拡大する
  • 訪問薬剤管理指導料は外来の10倍以上の点数

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処方箋枚数による損益分岐点

薬局の事務室で収支を確認する管理薬剤師
損益分岐点は枚数だけでなく単価と人件費で決まる。

枚数別のシミュレーション

薬剤師2人体制の一般的な薬局モデルで試算します。

項目50枚/日80枚/日120枚/日
月間売上約1,200万円約1,920万円約2,880万円
薬剤原価▲780万円▲1,248万円▲1,872万円
粗利420万円672万円1,008万円
人件費▲250万円▲300万円▲400万円
固定費▲150万円▲150万円▲150万円
営業利益20万円222万円458万円
利益率1.7%11.6%15.9%

ポイント: 処方箋60〜70枚/日前後が損益分岐点になるケースが多い。

在宅を加えた場合

外来80枚/日+在宅20名の薬局では:

項目外来のみ外来+在宅
月間売上1,920万円2,120万円(+200万円)
追加人件費+50万円
営業利益222万円372万円
利益率11.6%17.5%

在宅は1件あたりの単価が高いため、同じ労力でも利益への貢献度が大きいのが特徴です。


利益率を改善する5つの具体策

施策効果の大きさ難易度
後発品使用率の向上★★★★★
算定漏れの防止★★★★
かかりつけ算定率の向上★★★★
在宅業務の拡大★★★★★中〜高
薬価差益の最大化(共同購入等)★★★

まとめ

項目数値
処方箋1枚の平均売上約10,000〜11,000円
処方箋1枚の平均利益約300〜500円
営業利益率(標準)3〜5%
損益分岐点60〜70枚/日前後
利益率向上のカギ技術料の最大化と在宅の拡大

処方箋1枚あたりの利益は決して大きくありません。だからこそ、薬剤料以外の部分(技術料・加算・在宅)で差をつけることが薬局経営のカギになります。「1枚の利益を1円でも上げる」意識が、年間で見れば数百万円の差を生みます。

よくある質問(FAQ)

Q. 処方箋1枚あたりの利益はどのくらいですか?

A. 処方箋1枚の平均売上は約10,000〜11,000円ですが、薬剤原価・人件費・固定費を差し引いた営業利益は300〜500円程度で、利益率3〜5%が標準的な目安です。

Q. 処方箋1枚の売上の内訳はどうなっていますか?

A. 厚生労働省「調剤医療費の動向」(2024年度実績ベース)をもとにすると、薬剤料が6,500〜7,500円(65〜70%)、調剤料・薬学管理料等の技術料が2,500〜3,500円(25〜30%)、特定保険医療材料が100〜300円(1〜3%)という構成です。

Q. 薬局の損益分岐点は処方箋何枚くらいですか?

A. 薬剤師2人体制の一般的な薬局モデルの試算では、処方箋60〜70枚/日前後が損益分岐点になるケースが多いとされます。80枚/日で利益率11.6%、120枚/日で15.9%という試算結果です。

Q. 利益率を改善するには何から始めればよいですか?

A. 効果が大きく難易度の低い「後発品使用率の向上」と「算定漏れの防止」が最初の一手です。中期的には、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算などかかりつけ機能に関する加算の算定や、外来の10倍以上の点数がある在宅業務の拡大が利益率改善のカギになります。

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監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師)
最終更新日:2026年6月13日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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