【2026年最新】調剤報酬改定が在宅薬局に与える影響|在宅関連項目・収益シミュレーション・備える3アクション

【2026年最新】調剤報酬改定が在宅薬局に与える影響|在宅関連項目・収益シミュレーション・備える3アクション|在宅ファーマ

2年に一度の調剤報酬改定は、薬局経営に直結する最重要イベントです。近年の改定は「対物業務から対人業務へ」「在宅医療の推進」という方向性が明確で、在宅薬局にとってはチャンスとリスクの両面があります。

本記事では、最新の改定内容を在宅薬局の視点から整理し、経営への影響と対策を解説します。


目次

調剤報酬改定の基本

改定のしくみ

項目内容
改定頻度2年に1回(偶数年の4月)
決定プロセス中医協(中央社会保険医療協議会)で議論→答申→告示
影響範囲調剤基本料・各種加算・薬学管理料すべて
改定率全体の方向性を示す(プラス改定 or マイナス改定)

近年の改定トレンド

年度主なテーマ在宅への影響
2016年かかりつけ薬剤師制度の創設かかりつけ加算の新設
2018年対物→対人業務の推進薬歴管理の厳格化
2020年オンライン服薬指導の解禁在宅のオンライン活用が可能に
2022年地域連携薬局の評価連携体制加算の拡充
2024年在宅・かかりつけ機能の強化在宅関連加算の引き上げ
2026年調剤基本料の引き上げ・体制加算の再編在宅薬学総合体制加算1の倍増(30点・年48回)

2026年6月改定の主な変更

  • 調剤基本料の引き上げ:調剤基本料1が45点→47点になるなど、各区分で引き上げ。
  • 地域支援体制加算の廃止・再編:後発医薬品調剤体制加算と統合され「地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5」(27〜67点)に。
  • かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止:服薬管理指導料に統合され、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回)、かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回)が新設。
  • 在宅薬学総合体制加算1の倍増:15点→30点に引き上げ、実績要件は年24回→48回に。

在宅関連の主な報酬項目

居宅療養管理指導

区分単位数月の算定回数
単一建物1人518単位月4回まで
単一建物2〜9人379単位月4回まで
単一建物10人以上342単位月4回まで
がん末期・中心静脈栄養・注射による麻薬の投与上記+週2回・月8回まで

在宅患者訪問薬剤管理指導料

区分点数月の算定回数
在宅患者訪問薬剤管理指導料1650点月4回まで
在宅患者訪問薬剤管理指導料2320点月4回まで
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1500点月4回まで
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2200点月4回まで
麻薬管理指導加算100点算定のつど
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算250点算定のつど

各種加算一覧

加算名点数条件
在宅移行初期管理料230点退院後の在宅移行時
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料40点処方変更の提案が採用された場合
服薬情報等提供料130点医師への情報提供
服薬情報等提供料220点患者・家族への情報提供
夜間・休日・深夜訪問加算(緊急訪問時)夜間400点/休日600点/深夜1,000点末期悪性腫瘍・注射による麻薬投与の患者への緊急訪問

改定が薬局経営に与える影響

改定タイムライン

収益シミュレーション

シナリオ在宅患者数改定前(2024年度水準)月間収益改定後(2026年度水準)月間収益差額
小規模10名30万円33万円+3万円
中規模30名90万円100万円+10万円
大規模50名150万円168万円+18万円

プラス要因

項目内容
在宅関連加算の引き上げ訪問1回あたりの単価UP
多職種連携の評価充実サービス担当者会議参加等の評価
かかりつけ機能の強化かかりつけ加算の要件緩和

マイナス要因

項目内容
調剤基本料の引き下げ圧力特に大型門前薬局
後発医薬品体制加算の見直し数量ベースから金額ベースへの移行議論
対物業務の評価引き下げ単純な調剤・投薬のみでは減収

改定に備える3つのアクション

1. 在宅患者数を増やす

手段内容
ケアマネへの営業地域の居宅介護支援事業所への訪問
施設との契約特養・老健・グループホームへの提案
退院時カンファ参加病院の地域連携室との関係構築

2. 算定漏れを防ぐ

よくある算定漏れ対策
麻薬管理指導加算チェックリストでの確認
服薬情報等提供料情報提供のテンプレート化
在宅移行初期管理料退院連携フローの整備
夜間・休日・深夜訪問加算看取り期の緊急対応時の算定ルールを共有

3. 新しい加算に対応する体制づくり

項目内容
研修の受講新設加算の算定要件を全員が理解
マニュアル更新改定後の算定フローを改訂
システム対応レセコンの更新確認

まとめ

ポイント内容
改定の方向性「在宅・対人業務」を評価する流れは加速
在宅薬局への影響適切に算定すればプラス改定
最重要アクション算定漏れ防止と在宅患者数の拡大
情報収集中医協の議論を日常的にチェック

この記事は厚生労働省の公開資料および中医協の議事録に基づいて作成しています。


参考リンク


あわせて読みたい

出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月14日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

よくある質問

Q. 調剤報酬改定はいつ、どのように決まりますか?

A. 調剤報酬改定は2年に1回、偶数年の4月に行われます。中医協(中央社会保険医療協議会)での議論を経て答申・告示という流れで決定され、調剤基本料・各種加算・薬学管理料のすべてに影響します。近年は「対物業務から対人業務へ」「在宅医療の推進」という方向性が明確になっています。

Q. 調剤報酬改定は在宅薬局にとってプラスですか?マイナスですか?

A. 本記事では、在宅関連加算の引き上げ、多職種連携の評価充実、かかりつけ機能の強化がプラス要因である一方、調剤基本料の引き下げ圧力や対物業務の評価引き下げなどがマイナス要因と整理されています。在宅薬局は適切に算定すればプラス改定になるとされ、算定漏れ防止と在宅患者数の拡大が最重要アクションとされています。

Q. 在宅関連でよくある算定漏れにはどんなものがありますか?

A. 本記事では、麻薬管理指導加算、服薬情報等提供料、在宅移行初期管理料、夜間・休日・深夜訪問加算がよくある算定漏れとして挙げられています。対策としては、チェックリストでの確認、情報提供のテンプレート化、退院連携フローの整備、看取り期の判断基準の共有が紹介されています。

Q. 調剤報酬改定に備えて在宅薬局は何をすればいいですか?

A. 本記事では3つのアクションが挙げられています。ケアマネへの営業や施設への提案、退院時カンファレンス参加などで在宅患者数を増やすこと、チェックリストやテンプレート化で算定漏れを防ぐこと、研修の受講・マニュアル更新・レセコンの更新確認など新しい加算に対応できる体制をつくることです。中医協の議論を日常的にチェックすることも重要とされています。

令和8年度改定の細かい取扱いは、厚生労働省の疑義解釈で随時示されています。直近の内容は調剤報酬の疑義解釈まとめ(その9・その10)で整理しています。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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