服薬管理指導料が算定できない、または別の区分になる場面は、原文の「算定しない」「を除く」「に限り」を拾うと7つに整理できます。在宅薬局で最も多いのは、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者の定期処方です。この場合は、臨時の投薬かオンライン(4のロ・4のハ)でなければ算定しません。
7つのケースの早見表
| ケース | 根拠 | 対処 |
|---|---|---|
| 1. 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定中 | 注15、留意1(2) | 臨時の投薬なら算定可。オンラインは4のロ・4のハ |
| 2. 必要な指導等が欠けている | 留意1(4)、2(1) | アからカまでを全て行い、薬歴に記載 |
| 3. 3月以内でも手帳を提示しない | 注3 | 1ではなく2で算定 |
| 4. かかりつけの要件を満たさない | 注1、留意2(2) | イではなくロで算定 |
| 5. 施設訪問の対象外・月4回超 | 注4、留意3 | 対象施設と回数を確認 |
| 6. オンライン在宅の同日・上限超 | 注5、留意4(4)(5) | 訪問日と別の日に、上限内で |
| 7. 薬局側の要件に当たる | 注1・注17、留意1(6) | 調剤基本料の区分と手帳の提示割合を確認 |
ケース1:在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者の定期処方
注15は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者には、情報通信機器を用いた場合と、薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除き、服薬管理指導料を算定しないと定めています。
- 計画どおりの定期処方を訪問で届けた → 算定しない
- 同じ患者が転倒したけがで別の診療科を受診し、臨時の処方箋を外来で受け付けた → 計画と別の負傷に係る臨時の投薬なので算定できる
- 訪問しない日にオンラインで指導した → 4のロ(急変等なら4のハ)で算定できる
注15は「算定している患者」とだけ定め、期間の区切りは書いていません。月単位で判断するかどうかは、疑義解釈や審査支払機関の扱いを確認してください。在宅側の算定できない場面は在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定できないケースにまとめています。
ケース2:「必要な指導等」の一部を行っていない
留意事項1(4)は、アからカまでの「必要な指導等」を全て行うことを求めています。1と2は、その全てを対面で行った場合に算定します(留意事項2(1))。漏れやすいのは、薬を取りそろえる前に確認する次の5項目です(1(4)イ(ロ))。
- 体質(アレルギー歴、副作用歴等)、生活像、後発医薬品の使用に関する意向
- 既往歴・合併症・他科で治療中の疾患
- 併用薬(一般用医薬品や健康食品を含む)と、相互作用のある飲食物の摂取状況
- 服薬状況(残薬を含む)
- 服薬中の体調の変化と、患者や家族からの相談の要点
残薬を確認できなかった場合は、次回確認できるよう指導し、その旨を薬歴に記載します(留意事項1(5)ウ)。指導の要点は薬剤服用歴等に速やかに記載します(通則1(3))。
ケース3:3月以内の再来でも手帳を提示しない
3月以内の再来でも、手帳を提示しない患者は1ではなく2で算定します(注3)。持参を忘れた患者には、2の点数になる旨を説明し、次回以降は提示するよう指導します(留意事項1(5)イ(ロ))。あわせて、手帳に追加すべき事項を記載したシール等を渡し、使っている手帳に貼るよう説明します(同(ホ))。オンラインでも同じで、4のイの患者が手帳を提示しない場合は4のニで算定します(注5)。
ケース4:かかりつけ薬剤師の要件を満たさない
次のいずれかに当たると、1のイ・2のイは算定できず、1のロ・2のロになります。
- 施設基準の届出がない(注1)
- 算定する薬剤師本人が説明して同意を得ていない(留意事項2(2)イ)
- 初めて来局した患者である。同意の取得は複数回来局している患者に行う(同エ)
- 同じ月に、別の薬剤師や別の薬局がイを算定している。同一月内は同じ薬局の同じ薬剤師で算定する(同エ)
- かかりつけ薬剤師がやむを得ず不在で、他の薬剤師が指導した(同オ)
複数の薬局で1のイ又は2のイを算定していた場合は、どの薬局もフォローアップ加算と訪問加算を算定できません(留意事項12(5)・13(6))。
ケース5:施設訪問(3)の対象でない、または月4回を超える
3の対象は、地域密着型介護老人福祉施設・介護老人福祉施設の入所者と、短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護の利用者です(留意事項3(1)ア)。介護医療院・介護老人保健施設の入所者は、医師が所定の処方箋を交付した場合に限られます(同イ)。
回数は月4回に限られ(注4、留意事項3(3))、オンラインの4のイと合わせて月4回です(留意事項4(3))。原文が3の対象に挙げるのは上の施設だけなので、それ以外の住まいの患者は施設種別ごとに整理してください(施設種別×居宅療養管理指導の早見表)。
ケース6:オンライン在宅(4のロ・4のハ)を訪問と同じ日に行った、上限を超えた
- 訪問薬剤管理指導と同じ日に行った → 4のロ・4のハは算定しない(注5、留意事項4(4)ア・4(5))
- 訪問薬剤管理指導を行っている薬局でない → 4のロ・4のハの前提を満たさない(同4(4)ア・4(5))
- 4のロは在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて月4回まで。末期の悪性腫瘍の患者などは週2回かつ月8回まで
- 4のハは在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料と合わせた上限の範囲内。4のハを算定する場合、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は算定できない(留意事項4(5))
4のロでは、訪問診療を行った医師に結果を文書で情報提供します(留意事項4(4)ウ)。上限の数え方は服薬管理指導料の回数・日数の上限で扱います。
ケース7:薬局側の要件に当たる
- 調剤基本料の注2に規定する薬局 → 1から4まで全て算定できない(注1・注2・注4・注5)
- 特別調剤基本料Bを算定している薬局 → 算定できない(留意事項1(6))
- 特例の対象薬局 → 処方箋受付1回につき13点。注6から注14までの加算と調剤管理料の加算は算定できない(注17、留意事項14(4))
特例は、3月以内に再来した患者への算定回数のうち手帳を提示した患者の割合が50%以下の薬局が対象です(留意事項14(1))。調剤基本料の区分は調剤基本料1・2・3の違いで確認できます。
加算だけが算定できないケース
| 加算 | 算定できない場面 | 根拠 |
|---|---|---|
| 特定薬剤管理指導加算1〜3、吸入薬指導加算 | 4のロ・4のハを算定するとき | 注7・注8・注9・注12 |
| 乳幼児服薬指導加算 | 小児特定加算を算定するとき | 注11 |
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 | 在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費、調剤後薬剤管理指導料を算定している患者(同月) | 注13、留意12(4) |
| かかりつけ薬剤師訪問加算 | 外来服薬支援料1、施設連携加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、服薬情報等提供料、居宅療養管理指導費を算定している患者 | 注14、留意13(5) |
| 特定薬剤管理指導加算2、吸入薬指導加算、訪問加算 | 特別調剤基本料Aの薬局が、調剤基本料の注6に規定する医療機関へ情報提供したとき | 注18 |
居宅療養管理指導費(介護保険)を算定している患者で、加算の対象外になる点は在宅薬局が見落としやすいところです。組み合わせ全体は服薬管理指導料の併算定可否一覧を、要件の全体像は服薬管理指導料の算定要件と点数を参照してください。
よくある質問
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者が、外来で臨時の処方箋を持ってきたら算定できますか?
薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬であれば、服薬管理指導料を算定できます(注15、留意事項1(2))。計画に係る疾病の処方であれば算定しません。
手帳を忘れた患者は服薬管理指導料1で算定できますか?
できません。3月以内の再来でも、手帳を提示しない場合は2で算定します(注3)。2の点数になる旨を説明し、次回以降の提示を指導します。
訪問薬剤管理指導と同じ日にオンラインで指導した場合、4のロは算定できますか?
算定できません。4のロ・4のハは、訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除くと定められています(注5、留意事項4(4)ア・4(5))。
特例の対象になった薬局は加算を算定できますか?
できません。特例の13点を算定する場合、注6から注14までの加算は算定できず(注17)、調剤管理料の加算も算定できません(留意事項14(4))。
出典
- S1:厚生労働省「調剤報酬点数表」(令和8年6月1日施行)区分10の3 服薬管理指導料 注1〜注5、注7〜注18
- S2:厚生労働省「調剤報酬点数表に関する事項(留意事項通知)」区分10の3 1(1)〜(6)、2(1)(2)、3(1)(3)、4(3)(4)(5)、12(4)(5)、13(5)(6)、14(1)(4)
最終更新日:2026年10月24日
本記事は令和8年6月1日施行の調剤報酬点数表(厚生労働省)と留意事項通知の原文を確認して作成しています。個別の算定可否は、最新の告示・通知・疑義解釈と自局の届出状況でご確認ください。

