在宅の算定漏れは「知識不足」より「仕組みの不在」で起きます。本記事では、在宅併設薬局で実際に起きやすい算定漏れを5つのパターンに整理し、それぞれ「なぜ起きるか」「どう仕組みで防ぐか」を解説します。1件あたりは数百円でも、月間・年間で積むと無視できない金額です。
原因① 単一建物人数の更新漏れ
施設系の訪問で、入退去により同一建物内の対象人数が変わったのに、前月と同じ区分(518/379/342単位)で算定し続けるパターン。過大にも過小にも転びます。
仕組み化:月初の訪問前に「建物ごとの対象者リスト」を更新する曜日を固定。担当者ではなく日付に仕事を紐づけるのがコツです。
原因② 特例患者の回数上限の誤り
がん末期・中心静脈栄養・注射による麻薬投与の患者は週2回かつ月8回まで算定できますが、通常の「月4回」のまま運用してしまい、必要な訪問をしても算定しないケース。逆に特例に該当しなくなった後も月8回で数えてしまう誤りもあります。
仕組み化:特例対象者には薬歴・レセコンに目印を付け、該当開始日・終了日を記録。月次で対象者リストを見直します。
原因③ 加算の見落とし
医療用麻薬持続注射療法加算(250単位)・在宅中心静脈栄養法加算(150単位)など、手技が発生しているのに加算を取り忘れるパターン。訪問業務に集中するほど、算定は後回しになりがちです。
仕組み化:訪問記録のテンプレートに加算チェック欄を組み込み、「記録を書き終えたら算定も終わっている」状態にします。
原因④ オンラインと対面の合算管理ミス
情報通信機器を用いた指導(46単位)は対面と合算して月4回まで。別枠と誤解して5回目を算定してしまう(返戻)、または枠が残っているのにオンライン分を算定しない(取りこぼし)の両方が起きます。
仕組み化:患者ごとの月間算定回数を対面・オンライン合算で一元カウントする表を用意します。
原因⑤ 多職種からの情報が算定に届かない
訪問看護から「麻薬の持続注射が始まった」、ケアマネから「区分変更された」——こうした情報が薬歴には書かれても算定条件の変化として処理されないパターンです。
仕組み化:情報共有ツールの通知を「算定に影響する情報」だけ週1回レビューする時間を15分確保します。
まず現状を10分で棚卸しする
自局にどのパターンがあるかは、直近3ヶ月のレセプトと訪問記録を突き合わせれば概ね見えます。時間が取れない場合は、当サイトの無料の算定判定ツールで主要な取りこぼしポイントをチェックするところから始めてください。点数・要件の確認には、LINE登録特典の「在宅算定 点数早見表 2026年版」(PDF)も調剤室に置いて使えます。
よくある質問(FAQ)
算定漏れはどのくらいの金額になりますか?
例えば379単位の算定を月10件取りこぼすと、1単位10円換算で月約3.8万円、年間で約45万円になります。加算の見落としも含めると規模はさらに大きくなります。
算定漏れと過剰算定、どちらのリスクが大きいですか?
金額面では取りこぼし(漏れ)、指導・返戻面では過剰算定がリスクです。本記事の仕組み化は両方向のミスを同時に減らすことを狙っています。
小規模薬局でも仕組み化できますか?
できます。月初の人数確認・記録テンプレの加算チェック欄・合算カウント表の3つは、専用システムがなくても紙とスプレッドシートで運用可能です。
最終更新日:2026年7月2日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。
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出典・参考(一次情報)
本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。
- 厚生労働省(診療報酬・介護報酬の告示・通知・疑義解釈資料)
- WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)(介護報酬・介護保険制度の解説)
- e-Gov法令検索(健康保険法・介護保険法などの条文)

