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在宅薬学総合体制加算1・2|30・100・50点の違いと施設基準【2026年版】

在宅薬学総合体制加算2026年改定の完全ガイド|在宅ファーマ

在宅薬学総合体制加算は、対象となる在宅患者の処方箋を受け付けて調剤する際に算定する、調剤基本料の加算です。2026年度は加算1が30点、加算2のイが100点、ロが50点です。訪問1回ごとに居宅療養管理指導費へ上乗せするものではありません。このページでは、患者ごとの点数区分と薬局の施設基準を分けて確認します。

(本記事は令和8年度改定の告示・通知等をもとにした解説です。個別の算定可否・最新の要件は、必ず厚生労働省の原典と疑義解釈でご確認ください。)

目次

在宅薬学総合体制加算とは

無菌調剤室でクリーンベンチに向かう薬剤師
在宅薬学総合体制加算は在宅の体制整備を評価する加算。

在宅患者に薬学的管理・指導を行う体制と実績を評価する加算です。届出を行った薬局で、在宅患者訪問薬剤管理指導料等や居宅療養管理指導費等を算定する対象患者の処方箋を受け付け、調剤した場合に算定します。患者数や介護の訪問件数だけでは算定回数・月額を確定できません。留意事項通知「区分00・9 在宅薬学総合体制加算」を確認してください。

2026年度改定後の点数と要件【早見表】

区分点数患者ごとの区分・薬局の要件
加算130点加算1の届出・施設基準を満たす薬局。直近1年間の所定の在宅業務実績48回以上など
加算2 イ100点原則、単一建物診療患者が1人、または単一建物居住者が1人の場合。加算2の届出・施設基準を確認
加算2 ロ50点加算2の届出・施設基準を満たし、イ以外の場合

「個人宅100点・施設50点」と住所の種類だけで判断しないことが重要です。原則は単一建物の患者・居住者の人数区分で分かれます。さらに通知00・9(7)の薬局要件と患者状態を満たす場合は、人数にかかわらず加算2イを算定できる取扱いがあります。特別調剤基本料Aは所定点数の10%、Bは算定できないため、基本料の区分も確認します。

加算2の施設基準と患者ごとの点数区分を分ける

住宅街を訪問に向かう薬剤師
在宅業務の実績と、患者ごとの算定区分を分けて管理する。

加算2は加算1の施設基準に加えて、所定の在宅実績、高度な薬学的管理の実績、薬剤師の配置等が必要です。主な確認点は次のとおりです。数値だけで届出可能とは判断せず、施設基準通知・第95(本文383〜385ページ)の全項目を確認してください。

  • 所定の実績が年240回以上かつ在宅全体に占める割合が2割を超える、または年480回以上かつ1割を超えること。「以上」と「超える」を区別する
  • 麻薬関連・無菌製剤処理・乳幼児/小児特定のうち所定の実績要件、常勤換算3名以上・原則開局時間中2名以上常駐、高度管理医療機器販売業の許可等も確認する
  • 施設基準を満たすかの判定と、個々の処方箋でイ・ロのどちらを算定するかの判定を分けて記録する

個人宅の依頼をどう増やすかは、在宅の依頼を増やす薬局の営業ガイドで具体的に解説しています。単一建物の人数区分の数え方は単一建物居住者の数え方もあわせてご確認ください。

施設基準の全体像と届出【加算1の8項目・加算2の追加要件】

届出の可否は、施設基準通知の第95に並ぶ項目をすべて満たすかで決まります。加算1は8項目、加算2は加算1の全項目に加えて4項目です。ここでは通知の項目をそのまま並べ、実務で確認する資料を添えます。

加算1の施設基準(8項目)

項目通知の要件(要約)
(1) 届出在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生(支)局長に届け出ていること
(2) 在宅実績直近1年間の在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行うもの、情報通信機器を用いるものを除く)の算定回数の合計が48回以上。在宅協力薬局として連携した場合(同一グループ薬局へ実施した場合を除く)と同等の業務を含む
(3) 時間外の体制緊急時等の開局時間以外の在宅業務に対応できる体制(在宅協力薬局の薬剤師と連携する方法を含む)
(4) 周知地域の行政機関・医療機関・訪問看護ステーション・福祉関係者等へ、開局時間外の在宅対応体制(医療用麻薬の対応等を含む)を周知していること。行政機関または薬剤師会等を通じた周知も行うこと
(5) 研修研修実施計画を作り、在宅業務に関わる薬剤師に研修を実施し、定期的に外部の学術研修(地域薬剤師会等を含む)を受けさせていること
(6) 衛生材料医療材料・衛生材料を供給できる体制。医療機関から指示があれば原則として患者に供給し、費用は医療機関に請求する(価格は相互の合議)
(7) 麻薬麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導ができること
(8) 服薬管理指導服薬管理指導料の「注1」に規定する服薬管理指導を行う旨を届け出ていること

加算2で追加される要件

項目通知の要件(要約)
実績と割合(どちらか)ア:単一建物1人の訪問等の算定回数が年240回以上、かつ在宅全体に占める割合が2割を超える
イ:同じく年480回以上、かつ割合が1割を超える
(対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料の1、緊急訪問、緊急時等共同指導、単一建物居住者1人の居宅療養管理指導費等。情報通信機器を用いるものを除く)
高度な薬学的管理の実績(どれか1つ)ア:麻薬管理指導加算・在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算等の算定回数が年10回以上
イ:無菌製剤処理加算の算定が年1回以上
ウ:乳幼児加算・小児特定加算の算定回数が年6回以上
薬剤師の配置常勤換算で3名以上。原則として開局時間中は2名以上が常駐。常勤換算は所定労働時間(32時間未満の場合は32時間)で1名と数える
許可高度管理医療機器の販売業の許可(医薬品医療機器等法第39条第1項)

実績を数える期間と届出様式

届出をした後は、加算1の在宅実績(48回)や加算2の実績要件の一部を、前年5月1日から当年4月末日までの実績で判定し、当年6月1日から翌年5月末日まで算定できる取扱いです(施設基準通知 第95の3)。届出には別添2の様式87の3の5を使います。直近の訪問数を12倍して見込むのではなく、この判定期間の算定回数で確認してください。

なお、在宅協力薬局が処方箋を受け付けて訪問を行った場合は、その在宅協力薬局が当該加算を届け出ている場合に限って算定できます(留意事項通知 区分00・9の(4))。

自局は加算1・加算2どちらを狙うべきか

まず加算1の届出・体制と、所定の在宅業務実績48回以上を確認します。加算2は実績件数・割合だけでなく、薬剤師配置や高度な薬学的管理等の要件をすべて満たすかを確認します。届出後の実績判定期間にも定めがあるため、単に直近の訪問数を12倍して判断しないようにしてください。

薬局のステージ当面の目標やるべきこと
在宅これから加算1(30点)の体制構築届出・麻薬小売業者免許・時間外対応・研修等を確認する
在宅立ち上がり済年48回の実績確保対象となる算定回数と、除外するオンライン分等を区別する
在宅が主力加算2イ(100点)所定の実績・割合・配置等の全要件と、患者ごとのイ・ロを確認する

体制加算は「単体で儲かる」ものではなく、在宅の収益構造全体の一部です。訪問件数×単位数で月いくらになるかは在宅薬局の収益シミュレーションで試算できます。改定が在宅薬局の収益に与える影響の全体像は2026年調剤報酬改定が在宅薬局に与える影響にまとめています。

算定の取りこぼしについて

算定できるのに、算定していない項目はありませんか。

在宅の算定でいちばん多い損失は、要件を間違えることではなく、要件を満たしているのに算定されていないことです。レセコンの帳票には毎月印字されているため、社内では気づかれないまま続きます。

実際にあった例では、ある店舗で毎月400件台だった加算が、改定の施行月を境に0件になっていました。影響額は月あたり約22万円規模です。

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よくある質問(FAQ)

在宅薬学総合体制加算1の点数は2026年度でいくらになりましたか?

15点から30点へ引き上げられました。あわせて実績要件が在宅業務の年24回以上から年48回以上へ引き上げられています。

加算2イとロの点数はどう分かれますか?

加算2イは100点、ロは50点です。原則、単一建物診療患者または単一建物居住者が1人ならイ、それ以外はロです。ただし通知00・9(7)の薬局要件と患者状態に該当する場合は人数によらずイとなるため、住所の種類だけでは判断できません。

無菌調剤の設備がないと算定できませんか?

加算2の高度な薬学的管理に関する実績には、麻薬関連、無菌製剤処理、乳幼児・小児特定の選択肢があります。無菌調剤設備の有無だけで可否は決まらず、その他の実績・配置等の施設基準も含めて確認します。

年48回の実績はどう数えますか?

所定の在宅患者訪問薬剤管理指導料等と居宅療養管理指導費等の算定回数を合計します。介護側の情報通信機器を用いる分は除き、所定の在宅協力薬局としての連携や同等業務を含みます。対象業務と届出後の判定期間は施設基準通知・第95で確認してください。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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