- 算定できない:届出なし、特別調剤基本料B(注5本文・留意事項通知 区分00の3(4))
- 減額になる:特別調剤基本料Aは100分の10(3(1))、医師の分割指示(注11)は分割回数で除した点数
- 回数が増えない:同一医療機関・同一医師の同日の処方箋は受付1回(1(2))
- 原文に明記がない扱い(注9・注10の2回目以降の加算など)は疑義解釈・審査支払機関で確認
7つのケースと結論の一覧
| ケース | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 届出がない・施設基準を満たさない | 算定できない | 注5本文、3(1) |
| 2 特別調剤基本料Bの薬局 | 算定できない | 注5本文、3(4) |
| 3 特別調剤基本料Aの薬局 | 100分の10で算定 | 注5本文、3(1) |
| 4 注9・注10の分割調剤の2回目以降 | 調剤基本料は初回のみ。加算の扱いは要確認 | 注9・注10、7(1)ア |
| 5 医師の分割指示(注11) | 分割回数で除した点数 | 注11、7(4)イ |
| 6 同一医療機関・同一医師の同日の複数処方箋 | 受付1回分のみ | 1(2) |
| 7 減算(注4・注8・注15)がかかる薬局 | 加算は減算と同じ段階で行う | 12 |
根拠の番号のうち「注」は点数表の区分番号00、数字だけのものは留意事項通知 区分00の項目です。
ケース1:届出をしていない、または施設基準を満たさなくなった
注5は「施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局」で算定するとし、留意事項通知3(1)も「施設基準や実績等を満たした上で必要な届出を行った場合に算定できる」としています。体制が整っていても、届出の前は算定できません。
実績が基準を下回ったとき、いつから算定できなくなるか、変更の届出をいつまでに出すかは、点数表と留意事項通知には書かれていません。特掲診療料施設基準通知の届出の取扱いで確認してください。
- 対処:届出の受理日・区分と、レセコンの加算設定を照合する
- 対処:実績を月ごとに集計し、基準を下回りそうな項目を早めに把握する(集計の考え方は届出と実績の数え方)
ケース2:特別調剤基本料Bの薬局
注2は「別に厚生労働大臣が定める保険薬局」について、特別調剤基本料Bとして受付1回3点を算定すると定めています。注5本文は加算の対象から「注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く」としており、留意事項通知3(4)も算定できないと明記しています。
同じ除外は、連携強化加算(4(4))、バイオ後続品調剤体制加算(5(5))、在宅薬学総合体制加算(9(6))、電子的調剤情報連携体制整備加算(10(3))にも置かれています。特別調剤基本料Bに該当すると、調剤基本料の体制加算はまとめて算定できなくなります。在宅薬学総合体制加算も対象外になる点は、在宅を手がける薬局ほど影響が大きいところです。
ケース3:特別調剤基本料Aの薬局は100分の10
特別調剤基本料A(5点)の薬局は算定できますが、注5の括弧書きにより点数は100分の10です。留意事項通知3(1)は小数点以下第一位を四捨五入するとしています。編集部の計算では、加算1は3点、加算2と加算5は6点、加算3は7点、加算4は4点です。
留意事項通知12の末尾には「当該点数が3点未満になる場合は、3点を算定する」ともあります。どの点数を指すかは文脈で読む必要があり、扱いに迷うときは審査支払機関に確認してください。
ケース4:分割調剤(注9・注10)の2回目以降
注9(14日分を超える投薬で、薬剤の保存が困難であること等の理由による分割)の2回目以降と、注10(後発医薬品の試用のための分割)の2回目は、5点を算定します(注9は1分割調剤につき5点)。留意事項通知7(1)アは「調剤基本料は初回のみ算定し、2回目以降については「注9」又は「注10」のとおり算定する」としています。
原文は、この5点に注5の加算を上乗せできるかを個別には書いていません。2回目以降は調剤基本料そのものを算定せず、注9・注10の点数で算定する、という書き方です。加算の扱いは疑義解釈や審査支払機関で確認してください。なお、異なる薬局で分割調剤を行う場合は、各薬局でそれぞれ調剤基本料を算定できます(7(1)ア)。
ケース5:医師の分割指示(注11)は分割回数で割る
注11は、医師の分割指示に係る処方箋では「区分番号00に掲げる調剤基本料及びその加算」などの所定点数を分割回数で除した点数を、1分割調剤につき算定するとしています。注5は調剤基本料の加算なので、満額ではなく分割回数で割った点数になります。
留意事項通知7(4)イは、分割しない場合に算定する点数をそれぞれ合算して分割回数で除し、小数点以下第一位を四捨五入するとしています。服薬情報等提供料だけは分割回数で除さずに算定できます。同一薬局で同一日に複数の分割調剤を行う場合は、注11の点数で算定します(7(1)イ)。
ケース6:同じ日に同じ医療機関の処方箋が複数ある
同一患者から同一日に、同一医療機関の同一医師、または同一医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された複数の処方箋を受け付けた場合は、一括して受付1回です(1(2))。加算も1回分になります。
在宅での例を挙げます。訪問日に同じ医師から定期処方と臨時処方の2枚を受け取った場合は受付1回です。一方、別の医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合は2回と数えます(1(3))。同一医療機関でも、歯科の処方箋は歯科以外と別受付にできます(1(2)ただし書)。
ケース7:減算がかかる薬局での扱い
調剤基本料には、注4(妥結率5割以下など。所定点数の100分の50)、注8(後発医薬品の調剤数量割合が5割以下。5点減算、受付が月600回以下の薬局を除く)、注15(門前薬局等立地依存減算。15点減算)の減算があります。減算がかかることだけを理由に注5が算定できなくなるとは、点数表・留意事項通知には書かれていません。
留意事項通知12は、最初に所定点数へ注3(100分の80)・注4(100分の50)を乗じて四捨五入し、次に注5などの加算と注8・注15の減算を行う、という順番を示しています。原文の順序どおりに読むと、100分の50は所定点数に掛かり、注5はその後で足します。ただし、減算の対象となる薬局が注5の施設基準を満たせるかは別の問題で、施設基準通知で確認が必要です。
算定前のチェックリスト
- 地方厚生局長等への届出が受理され、区分(加算1〜5)がレセコンに正しく設定されている
- 自局が特別調剤基本料Bに該当していない
- 特別調剤基本料Aの場合、100分の10の点数で設定されている
- 分割調剤の2回目以降で、注9・注10・注11の別を確認した
- 同日・同一医療機関の同一医師の複数処方箋を受付1回にまとめている
点数の全体像は算定要件と点数、他の加算との組み合わせは併算定一覧で確認できます。
よくある質問
特別調剤基本料Aの薬局でも算定できますか?
算定できますが、点数は100分の10です(注5、留意事項通知 区分00の3(1))。小数点以下第一位を四捨五入するため、編集部の計算では加算1は3点、加算3は7点になります。
特別調剤基本料Bの薬局はなぜ算定できないのですか?
注5の本文が、加算の対象から注2に規定する薬局(特別調剤基本料B)を除いているためです。留意事項通知3(4)も算定できないと定めています。
分割調剤の2回目にも加算できますか?
医師の分割指示(注11)では、調剤基本料とその加算を分割回数で除した点数を算定します。注9・注10の2回目以降は調剤基本料を初回のみとし注9・注10の点数で算定するため、加算の上乗せは原文に明記がなく、疑義解釈や審査支払機関で確認が必要です。
後発医薬品の減算(注8)がかかると算定できなくなりますか?
点数表上、注8の減算と注5の加算は別の規定で、留意事項通知12は両方を同じ段階で行う順番を示しています。減算の対象となる薬局が注5の施設基準を満たせるかは、特掲診療料施設基準通知で確認してください。
出典
- S1:厚生労働省「調剤報酬点数表」区分番号00 調剤基本料(注2・注4・注5・注8・注9・注10・注11・注15)
- S2:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(留意事項通知)」別添3 調剤報酬点数表に関する事項 区分00の1(受付回数等)、3(1)(4)、4(4)、5(5)、7(1)(4)、9(6)、10(3)、11、12
- 原文が参照先として示す通知:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号)、「「新指標の割合の算出に当たって対象となる後発医薬品」等について」(令和8年3月5日保医発0305第12号)。施設基準の細目はこれらの通知の原文でご確認ください。
最終更新日:2026年10月24日
本記事は令和8年6月1日施行の調剤報酬点数表(厚生労働省)と留意事項通知の原文を確認して作成しています。個別の算定可否は、最新の告示・通知・疑義解釈と自局の届出状況でご確認ください。

