- 注5と注6・注7・注12・注13・注14は、留意事項通知12の第2段階でまとめて加算する
- 注3(100分の80)・注4(100分の50)は、先に調剤基本料の所定点数へ掛ける
- 特別調剤基本料Bでは注5・注6・注7・注12・注13・注14のいずれも算定できない
- 留意事項通知12の列挙に「後発医薬品調剤体制加算」という名称はない。後発医薬品は注8の減算と注5の指標で扱われる
大原則:倍率は先に掛け、加算は同じ段階で足す
留意事項通知 区分00の12は、調剤基本料の加算・減算のうち複数に該当する場合の計算順を次のように定めています。
- 最初に、所定点数に注3(100分の80)と注4(100分の50)のうち該当するものを乗じ、小数点以下第一位を四捨五入する
- 次に、注5、注6、注7、注8、注12、注13、注14、注15のうち該当するものの加算等を行う
- 特別調剤基本料Aの薬局では、注5・注7・注12・注13の所定点数に100分の10を乗じ、それぞれ四捨五入する
- 当該点数が3点未満になる場合は、3点を算定する
この並びの中に、注5と他の加算を同時に算定しないという条件は書かれていません。各加算は、それぞれの施設基準と届出、対象となる処方箋の条件を満たしたものだけが「該当するもの」になります。
調剤基本料の加算・減算との併算定一覧
「条件付き」は、その加算自体の要件を満たした場合に注5と同じ受付で算定できる、という意味です。
| 項目(区分番号00) | 点数 | 注5との関係 | 特別調剤基本料A/B |
|---|---|---|---|
| 連携強化加算(注6) | 5点 | 条件付き | A:100分の10の対象外。ただし注6後段の医療機関に該当すると算定不可/B:不可 |
| バイオ後続品調剤体制加算(注7) | 50点 | 条件付き(インスリン製剤を除くバイオ後続品を調剤) | A:100分の10/B:不可 |
| 在宅薬学総合体制加算1(注12) | 30点 | 条件付き(在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定する患者) | A:100分の10/B:不可 |
| 在宅薬学総合体制加算2(注13) | イ100点、ロ50点 | 条件付き(同上) | A:100分の10/B:不可 |
| 電子的調剤情報連携体制整備加算(注14) | 点数表の注14で確認 | 条件付き(患者1人につき月1回) | B:不可 |
| 後発医薬品の減算(注8) | 5点減算 | 減算として同じ段階で適用 | 原文に記載なし |
| 門前薬局等立地依存減算(注15) | 15点減算 | 減算として同じ段階で適用 | 原文に記載なし |
| 複数医療機関の同時受付(注3)・妥結率等(注4) | 100分の80・100分の50 | 先に所定点数へ掛ける | 原文に記載なし |
計算の順番を例で確かめる
届け出られる区分の組み合わせは施設基準で決まるため、ここでは手順だけを示す編集部の試算です(薬剤調製料などは省略)。
- 複数の医療機関の処方箋を同時に受け付けた2回目:調剤基本料1(47点)なら、47点×100分の80=37.6点を四捨五入して38点。そこへ注5の点数を足す。原文の順序では、注5の点数に100分の80は掛けない
- 特別調剤基本料Aの薬局:5点に、注5の100分の10(加算1なら27点×100分の10=2.7点を四捨五入して3点)を足して8点
解釈に迷う組み合わせは、地方厚生局や審査支払機関で扱いが異なることがあるため、事前に確認しておくと安全です。
在宅薬学総合体制加算との関係
在宅薬学総合体制加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、介護保険の居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費(在宅患者訪問薬剤管理指導料等)を算定する患者の処方箋を受け付けて調剤した場合に算定します(留意事項通知9(1)(2))。注5は受付ごとの加算なので、在宅の患者さんの処方箋では、両方の届出があれば両方が「該当するもの」になり得ます。
加算2は、単一建物診療患者または単一建物居住者が1人ならイ、それ以外はロです。9(7)の要件を満たす薬局で、別表第8の2・別表第8の3に該当する患者は、人数にかかわらずイを算定でき、その場合は該当する区分と患者の状態を調剤報酬明細書の摘要欄に記載します(9(8))。
施設基準の上で、一方の届出が他方の要件に関係するかどうかは施設基準通知で確認してください。体制加算の詳細は在宅薬学総合体制加算1・2の記事、訪問の点数どうしの組み合わせは在宅患者訪問薬剤管理指導料の併算定一覧と居宅療養管理指導の併算定一覧にまとめています。
連携強化加算・バイオ後続品調剤体制加算との関係
連携強化加算(注6・5点)は、災害や新興感染症の発生時等に必要な体制を整えた薬局が算定するもので、対応可能な体制を自局や行政機関、薬剤師会等のホームページ等で周知することが求められます(4(1))。特別調剤基本料Aの薬局では、注6後段の感染対策向上加算等を届け出た医療機関に該当する場合に算定できません(4(2))。
バイオ後続品調剤体制加算(注7・50点)は、インスリン製剤を除くバイオ後続品を調剤した場合に算定します(5(1))。先行バイオ医薬品が銘柄名で記載された処方箋では、処方医に確認せずにバイオ後続品へ変更調剤はできません(5(3))。
後発医薬品の扱い:注8の減算と注5の指標
留意事項通知12が列挙する調剤基本料の加算・減算に、「後発医薬品調剤体制加算」という名称の加算はありません。後発医薬品に関わるのは、注8の減算(後発医薬品の調剤数量割合が5割以下で5点減算。受付が月600回以下の薬局を除く。6(1))と、通則7が注5・注8に係る後発医薬品について保医発0305第12号を参照するよう求めている点です。
注5の加算と注8の減算は、点数表の上では同じ受付で同時に適用され得る関係です。ただし注8に該当する薬局が注5の施設基準を満たせるかは、施設基準通知の後発医薬品に関する基準によります。供給と使用の動きは後発医薬品・バイオシミラーと在宅医療で解説しています。
分割調剤・リフィルでの組み合わせ
- 医師の分割指示(注11):調剤基本料「及びその加算」を分割回数で除すため、注5も注12・注13も分割回数で割った点数になる
- 注9・注10の2回目以降:調剤基本料は初回のみで、注9・注10の5点で算定する(7(1)ア)。加算の上乗せは原文に明記がなく要確認。注3の100分の80は分割調剤の処方箋には適用しない(1(3))
- リフィル処方箋:調剤を行うごとに受付1回として扱う(8(1)ア)
算定できない場面の全体は算定できないケース7つ、点数と届出の全体像は算定要件と点数、届出の準備は届出と実績の数え方で確認できます。
よくある質問
在宅薬学総合体制加算と同時に算定できますか?
点数表・留意事項通知の範囲では、同時に算定しないとする規定はありません。留意事項通知12は注5と注12・注13を同じ段階で加算する順番を示しています。在宅薬学総合体制加算は在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定する患者の処方箋に限られ、それぞれの届出が必要です。
連携強化加算と同時に算定できますか?
同時に算定しないとする規定はありません。連携強化加算は別の施設基準と届出が必要で、特別調剤基本料Bの薬局では算定できず、特別調剤基本料Aの薬局では注6後段の医療機関に該当する場合に算定できません。
後発医薬品調剤体制加算はどう扱えばよいですか?
留意事項通知12が列挙する調剤基本料の加算・減算に、その名称の加算はありません。後発医薬品に関しては、注8の減算(調剤数量割合5割以下で5点減算)と、注5に係る後発医薬品の指標(保医発0305第12号を参照)が置かれています。
100分の80になる2回目の受付では、加算も100分の80になりますか?
留意事項通知12は、最初に所定点数へ100分の80を乗じ、次に注5などの加算を行う順番を定めています。原文の順序どおりに読むと注5の点数に100分の80は掛けませんが、扱いに迷う場合は審査支払機関に確認してください。
出典
- S1:厚生労働省「調剤報酬点数表」区分番号00 調剤基本料(注3〜注13)
- S2:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(留意事項通知)」別添3 調剤報酬点数表に関する事項 通則7、区分00の1(3)、4(1)(2)(4)、5(1)(3)(5)、6(1)、7(1)ア、8(1)ア、9(1)(2)(6)(7)(8)、10(1)(3)、11、12
- 原文が参照先として示す通知:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号)、「「新指標の割合の算出に当たって対象となる後発医薬品」等について」(令和8年3月5日保医発0305第12号)。施設基準の細目はこれらの通知の原文でご確認ください。
最終更新日:2026年10月24日
本記事は令和8年6月1日施行の調剤報酬点数表(厚生労働省)と留意事項通知の原文を確認して作成しています。個別の算定可否は、最新の告示・通知・疑義解釈と自局の届出状況でご確認ください。

