2027年度介護報酬改定の最新情報|在宅薬局への影響を追う【確定前・随時更新】

2027年度介護報酬改定|在宅ファーマ

2027年度(令和9年度)の介護報酬改定に向けた議論が、少しずつ動き始めています。在宅薬局にとって介護報酬は、居宅療養管理指導をはじめ収益の柱に直結するため、改定の方向性を早めに掴んでおきたいところです。ただし現時点では改定内容は確定しておらず、あくまで「これから議論される」段階です。本記事では、断定を避けつつ、2027年度改定で在宅薬局が注視すべき論点と、今から準備できることを整理します。

最初に強く申し添えます。本記事の内容は確定情報ではありません。具体的な単位数・要件は、今後の社会保障審議会の議論や告示・通知で決まります。実際の対応は、必ず厚生労働省の一次資料と最新の疑義解釈でご確認ください。

目次

2027年度改定はいつ・どう決まるのか

介護報酬は原則3年ごとに改定されます。前回が2024年度(令和6年度)改定だったため、次回は2027年度が想定されます。改定内容は、社会保障審議会の介護給付費分科会などでの議論を経て、改定率の決定、告示・通知の発出という流れで固まっていきます。

段階内容注視のしかた
論点整理分科会で課題と方向性が議論される議事録・資料で在宅・薬剤師関連の論点を追う
改定率決定予算編成過程で全体の改定率が決まる在宅・医療介護連携の重点度を確認
告示・通知具体的な単位数・算定要件が示される確定情報として原典で精読する
疑義解釈運用上の細かい取り扱いが示される現場対応を最終確定する

現段階で流布する「こうなる」という情報は、多くが予測・観測にすぎません。確定するまでは、方向性を掴む材料として捉え、断定的に業務を作り替えないことが大切です。

在宅薬局が注視すべき論点

確定情報ではないという前提で、2027年度改定で在宅薬局が特に注目したい論点を挙げます。いずれも近年の政策の流れから、議論の俎上に上りやすいテーマです。

  • 医療・介護連携の一層の評価:多職種連携や情報共有の質がどう評価されるか
  • ICT・DXの活用:オンラインでの居宅療養管理指導や記録のデジタル化の扱い
  • 看取り・重度者への対応:終末期や医療ニーズの高い在宅患者への薬学管理の評価
  • 単一建物居住者の単位区分:数え方など、施設在宅の評価の見直し
  • 効率化と適正化:算定の適正化・簡素化がどこまで進むか

これらは2024年度改定でも論点となったテーマの延長線上にあります。前回改定が在宅にどう効いたかを振り返ることが、次回を読む土台になります。詳しくは【2026年改定】居宅療養管理指導の点数は変わった?で整理しています。

今から準備できる4つのこと

改定内容が固まる前でも、在宅薬局が今からできる準備はあります。「改定に振り回されない体制」を作っておくことが、結果的に最大の備えになります。

  • 一次情報を追う習慣をつける:分科会の資料・議事録を定点観測し、観測記事を鵜呑みにしない
  • 多職種連携の実績を積む:連携や情報共有が評価される流れに備え、日々の連携を記録に残す
  • ICT・記録のデジタル化を進める:オンライン対応や電子記録の基盤を今のうちに整える
  • 算定漏れを止める:現行制度で取りこぼしがないか点検し、改定後もぶれない運用を作る

特に、改定の直前に慌てて体制を変えるのは負担が大きく、ミスも増えます。連携・記録・算定精度という「改定に強い土台」を平時に固めておくのが賢明です。2027年度に向けた具体的な準備は2027年度介護報酬改定に向けて在宅薬局が今から準備すべき4つのことでも掘り下げています。改定が収益に及ぼす影響の考え方は調剤報酬改定が在宅薬局に与える影響もあわせてご覧ください。

情報の受け取り方|観測と確定を分ける

改定情報は玉石混交です。誤った早合点で業務を作り替えると、確定後に手戻りが発生します。情報を扱うときの基本姿勢を整理します。

情報の種類扱い方注意
分科会の資料・議事録方向性を掴む一次情報として重視あくまで議論段階。決定ではない
業界メディア・解説記事論点の整理に活用観測や予測が混じる。出典を確認
告示・通知・疑義解釈確定情報として業務に反映これが出るまで断定しない

繰り返しになりますが、2027年度改定はまだ確定していません。本記事も含め、確定前の情報は「方向性の把握」にとどめ、最終的な算定要件・単位数は厚生労働省の告示・通知や疑義解釈、原典で必ずご確認ください。制度改定に強い薬局づくりの全体像は地域医療構想と薬局の役割も参考になります。

2024年度改定からの流れで次回を読む

次回改定の方向性を読むうえで、直近の2024年度(令和6年度)改定で何が重視されたかを振り返ることは有効です。政策には連続性があり、前回強調されたテーマは次回も議論の中心になりやすいためです。ただし、これはあくまで傾向であり、次回そのまま踏襲されるとは限りません。

近年重視されてきたテーマ背景次回で注視したい観点
医療・介護の連携強化在宅シフトと地域包括ケアの推進連携・情報共有の質がどう評価されるか
ICT・DXの活用人手不足と効率化の要請オンライン対応や電子記録の位置づけ
看取り・重度者対応在宅での看取りニーズの増加終末期の薬学管理がどう評価されるか
制度の適正化・簡素化持続可能性の確保算定要件の見直しや簡素化の範囲

これらのテーマは、施設在宅と個人在宅で影響の出方が変わる可能性があります。とくに単一建物居住者の数え方など、施設在宅の評価は改定のたびに論点になりやすい部分です。現行のルールは単一建物診療患者数の数え方で整理していますが、次回どう扱われるかは確定を待つ必要があります。

よくある誤解と情報の落とし穴

改定前の時期は、情報が錯綜し、誤った早合点が生まれやすくなります。確定前の情報を扱ううえで陥りやすい誤解を、あらかじめ知っておきましょう。

  • 「◯単位になるらしい」を鵜呑みにする:確定前の具体的な数値は、ほぼ予測にすぎません
  • 解説記事=確定情報だと思い込む:業界メディアは論点整理に有用ですが、観測が混じります
  • 他制度の改定と混同する:介護報酬と診療報酬・薬価は別の改定です。混同に注意
  • 改定直前に慌てて体制を変える:確定してから対応しても間に合う設計にしておくのが安全

こうした落とし穴を避ける最善策は、「一次情報を自分で確認する」習慣です。分科会の資料・議事録を定点観測し、確定情報である告示・通知・疑義解釈で最終判断する——この姿勢があれば、うわさに振り回されずに済みます。改定が収益に及ぼす影響を試算する際も、必ず確定した数値を使ってください。

改定に振り回されない薬局体制の作り方

改定のたびに慌てて体制を変える薬局と、改定が来ても淡々と対応できる薬局の差は、平時の土台にあります。次回改定を「特別なイベント」にしないために、今から仕込んでおきたい4つの土台を整理します。

  • 算定精度の土台:現行制度で取りこぼしがない運用を作る。改定後もぶれない
  • 連携の土台:医師・ケアマネ・訪問看護との連携を日常化し、記録に残す
  • 記録・ICTの土台:オンライン対応や電子記録を平時に整えておく
  • 情報収集の土台:一次情報を追う担当・習慣を決めておく

特に算定精度は、改定の有無に関わらず収益に直結します。要件を満たしているのに取りこぼす算定漏れを止める仕組みは在宅の算定漏れが起きる5大原因と防ぐ仕組みで解説しています。「改定に強い薬局」とは、平時の運用が整っている薬局です。確定情報を待ちつつ、今できる土台づくりから着手するのが賢明です。改定はいつか必ず来ますが、平時の土台が整っていれば、確定した内容を落ち着いて自局に当てはめるだけで対応できます。

よくある質問(FAQ)

2027年度介護報酬改定の内容はもう決まっていますか?

決まっていません。改定内容はこれから社会保障審議会などで議論され、告示・通知で確定します。現時点で流通する情報は予測・観測が中心のため、確定情報としては扱わないでください。

介護報酬改定はいつ行われますか?

介護報酬は原則3年ごとに改定され、前回が2024年度だったため次回は2027年度が想定されます。論点整理・改定率決定・告示通知・疑義解釈という段階を経て固まっていきます。

在宅薬局は今から何を準備すればいいですか?

一次情報を定点観測する習慣、多職種連携の実績づくり、ICT・記録のデジタル化、現行制度での算定漏れ防止です。連携・記録・算定精度という改定に強い土台を平時に固めておくのが有効です。

改定情報はどこで確認すればいいですか?

厚生労働省の社会保障審議会(介護給付費分科会)の資料・議事録や、確定後の告示・通知・疑義解釈が一次情報です。業界メディアの解説は論点整理に活用しつつ、最終確認は必ず原典で行ってください。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月9日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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