「居宅療養管理指導を算定している在宅患者に、一包化加算は取れるのか?」という質問は在宅薬剤師から非常に多く寄せられます。結論から言うと、両者はそもそも異なる保険制度の報酬であり、「併算定できる/できない」という対立関係ではありません。本記事では制度の違い・点数・算定要件・在宅での扱い・誤算定対策まで、現場で迷いがちなポイントを順に整理します。
まず大前提:一包化加算と居宅療養管理指導は”別の保険”
一包化加算(現在の正式名称は外来服薬支援料2)は医療保険=調剤報酬の点数です。一方、居宅療養管理指導費は介護保険=介護報酬の単位です。算定する保険・請求の流れ・改定のタイミングがすべて異なります。
- 外来服薬支援料2(一包化加算):医療保険/調剤報酬/改定は2年ごと(直近は2026年度)
- 居宅療養管理指導費:介護保険/介護報酬/改定は3年ごと(直近は2024年度、次回2027年度)
つまり「一包化加算を取ると居宅療養管理指導が取れない」といった排他関係ではなく、それぞれの保険でそれぞれの要件を満たせば、別個に評価されるのが基本の考え方です。
外来服薬支援料2(一包化加算)の点数【2026年度・据え置き】
処方箋受付1回につき1回算定します。2026年度(令和8年度)診療報酬改定でも、点数の構造は前回から据え置きとなっています。
| 投与日数 | 点数 |
|---|---|
| 42日分以下 | 一包化した投与日数7日(端数含む)ごとに34点(例:14日=68点、28日=136点、42日=最大204点) |
| 43日分以上 | 日数にかかわらず240点(定額) |
「7日ごとに34点」が42日(6コマ=204点)で頭打ちになり、43日以上は240点の定額に切り替わる、という二段構えの仕組みです。
一包化加算(外来服薬支援料2)の算定要件
「一包化」の定義
服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤、または1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているときに、種類にかかわらず服用時点ごとに一包としてまとめることを指します。単なる粉砕や半錠分包だけでは該当しません。
算定にあたって押さえる点
- 服用時点が異なる、または3種類以上という剤数・種類の要件を満たすこと
- 一包化の必要性(自己管理が困難、飲み忘れ・誤薬のリスク等)が確認・記録されていること
- 医師の了解(処方意図の確認)が取れていること
- 処方箋受付1回につき1回の算定であること
在宅患者の一包化はどう扱われる?
外来服薬支援料2は名称のとおり本来「外来」の枠組みです。在宅患者の場合は、調剤の状況や算定している在宅関連の報酬との関係で評価の枠が変わることがあります。居宅療養管理指導(介護)を算定している患者でも、調剤自体は医療保険で行われるため、一包化の評価が完全に消えるわけではありませんが、自局の算定パターンに照らして個別に確認することが欠かせません。
居宅療養管理指導費の基本(おさらい)
居宅療養管理指導費(薬局薬剤師)は、単一建物居住者1人で518単位、2〜9人で379単位、10人以上で342単位(2024年度改定後=2026年も据え置き)。月4回まで(がん末期・中心静脈栄養・麻薬注射の患者は週2回かつ月8回)算定できます。詳細は関連記事をご覧ください。
よくある誤算定・査定の要因と対策
- 必要性の記録不足:なぜ一包化が必要かの記載がない → 服薬管理上の理由を記録に残す
- 医師の指示・了解が不明 → 疑義照会や情報共有の記録を残す
- 剤数・服用時点の要件を満たさないケースでの算定 → 処方内容を都度確認
- 制度の取り違え:医療保険と介護保険の報酬を混同 → 請求前にどちらの保険かを切り分ける
よくある質問(FAQ)
居宅療養管理指導と一包化加算は同時に算定できますか?
制度上は別の保険(介護保険と医療保険)のため、それぞれの算定要件を満たせば別個に評価されます。「片方を取ると片方が取れない」という関係ではありません。ただし在宅患者の調剤の扱いは状況により異なるため、最新の通知でご確認ください。
一包化加算は1回でいくらですか?
投与日数42日以下なら7日ごとに34点(最大204点)、43日以上は一律240点です(2026年度据え置き)。処方箋受付1回につき1回算定します。
一包化加算は2026年改定で変わりましたか?
点数の構造は前回から据え置きです。名称は以前から「外来服薬支援料2」に整理されています。
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出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知。点数・単位数は改定の原典で最新をご確認ください。

