【2026年版】在宅薬局は儲かるのか?収益構造・利益率・成功する薬局5つの特徴を徹底解説

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「在宅薬局って、本当に儲かるの?」——調剤専業から在宅シフトを検討する薬局経営者、独立を考える薬剤師、いずれにとっても気になるテーマです。結論から言えば、在宅薬局は調剤専業より利益率で5〜10ポイント、薬剤師1人あたりの粗利で1.5倍程度高くなるケースが多く、構造的に「儲かりやすい」業態です。ただし、儲かる薬局と赤字の薬局に二極化する傾向もあります。本記事では、収益構造・利益率の実例・成功する薬局の特徴・失敗する薬局の共通点まで、経営者目線で徹底解説します。


目次

在宅薬局が儲かる3つの構造的理由

薬局の収支について話し合う経営者と薬剤師
在宅が利益を生むのは、単価ではなく訪問の積み上げ方による。

理由①:在宅特有の高い技術料

在宅患者訪問薬剤管理指導料は1回あたり290〜650点(単一建物診療患者数で変動:1人650点/2〜9人320点/10人以上290点)。これは外来調剤の服薬管理指導料(45点/59点)の5〜14倍に相当します。1人の患者から月2回算定すれば、月5,800〜13,000円の技術料が得られます。

理由②:処方箋単価が高い

在宅患者は高齢で多疾患併存(マルチモビディティ)の方が多く、処方薬剤数が外来患者の1.5〜2倍になる傾向があります。1処方箋あたりの粗利が外来より高くなり、訪問1件あたりの収益が積み上がります。

理由③:競合が少ない

調剤専業薬局は全国に約62,000店ありますが、本格的に在宅をやっている薬局はその2割程度(約12,000店)。地域ごとに見れば、在宅対応薬局が1〜2店しかないエリアも多く、需要に対する供給不足が続いています。

利益率の実例【調剤専業 vs 在宅型】

規模の近い薬局を比較した場合の収益構造の違いを示します。

項目調剤専業薬局在宅型薬局
処方箋枚数(月)1,500枚1,000枚+在宅100件
売上3,000万円3,200万円+200万円
薬剤費2,250万円(75%)2,240万円(70%)-10万円
粗利750万円(25%)960万円(30%)+210万円
人件費400万円500万円+100万円
その他経費200万円220万円+20万円
営業利益150万円(5%)240万円(7.5%)+90万円
業界統計および編集部による実態調査からの試算例(月額ベース)

同程度の売上規模で営業利益率が約5%→7.5%へ、約1.6倍に改善するイメージです。年額にすれば営業利益で年1,080万円の差になります。

儲かる在宅薬局の5つの特徴

訪問に出発する在宅担当の薬剤師
儲かる薬局ほど、訪問の段取りとルートが仕組みになっている。

特徴① 訪問件数100件/月以上を安定確保

在宅薬局の損益分岐点は概ね月50〜70件。100件超で安定的に運営できる体制が「儲かる」目安です。これに到達するには、訪問診療医・ケアマネ・訪問看護との連携体制が必須。

特徴② 連携先医療機関・施設が3つ以上

「1つの大型クリニック頼み」になっている薬局は、その医療機関の方針変更で経営が傾くリスクがあります。複数の医療機関・サ高住・有料老人ホームと並行して関係を持つことが安定経営の鍵。

特徴③ 薬剤師1人あたりの訪問件数が適切

薬剤師1人あたりの月間訪問件数は40〜60件が適正。それ未満だと収益化困難、それ以上だと業務品質・薬剤師の疲弊リスクが上がります。

特徴④ 施設在宅と個人宅在宅のミックス

施設在宅(サ高住・有料老人ホーム等)は1日複数件をまとめて訪問でき効率的。個人宅在宅は単価高いが移動時間がかかる。両者を6:4程度でミックスするのが理想です。

特徴⑤ 残薬整理・服薬アドヒアランス向上に注力

残薬整理に積極的に取り組む薬局は、医師からの評価が高く、新規紹介が増える好循環に入ります。「薬を売る」だけでなく「薬を最適化する」価値が、新規顧客獲得の源泉になります。

失敗する在宅薬局の共通点

  • 件数が増えない:月20件以下で停滞、連携先開拓が後手
  • 遠方訪問が多すぎる:1件あたりの移動時間が長く、効率悪化
  • 薬剤師の疲弊・離職:負荷集中で人材定着せず、業務継続困難に
  • レセプト返戻が多い:算定要件の不備・記録不十分による収益ロス
  • 処方提案ができない:医師から「薬を届けるだけ」と見られ、信頼が深まらない

失敗パターンの多くは「件数が伸びる前に薬剤師が疲弊して撤退」というケースです。立ち上げ期の経営者の覚悟と、3年スパンで投資できる体力が分岐点となります。

在宅薬局の立ち上げから収益化までの3年ロードマップ

1年目:基盤づくり

  • 訪問診療医・ケアマネ事業所・訪問看護への挨拶回り
  • 在宅対応の届出・算定要件の整備
  • 月10〜30件の訪問から開始
  • 赤字を許容する覚悟(初期投資の回収期)

2年目:拡大期

  • 月30〜70件へ拡大
  • 連携先からの紹介が増え始める
  • 専任薬剤師の配置を検討
  • 損益分岐点(月50件前後)を突破

3年目:安定収益化

  • 月80〜120件で安定運営
  • 営業利益率が外来より高い水準に
  • 2号店出店・施設在宅拡大などの次の打ち手検討

今から在宅シフトを始める3つのアクション

  • 近隣の訪問診療医にアポを取る:1か所10〜20分の挨拶訪問から
  • 地域ケア会議・サービス担当者会議に出席する:薬剤師の存在を多職種に認知してもらう
  • 在宅対応の届出を済ませる:すでに対応可能な薬局なら、届出だけでも先行

よくある質問

Q. 既存の調剤薬局でも在宅シフトはできますか?

A. 可能です。むしろ既存薬局の方が、外来収益で在宅立ち上げ期の赤字を支えられるため、ゼロからの在宅専業薬局より始めやすい。最初は外来+在宅のミックスから入り、徐々に在宅比率を上げるのが現実的です。

Q. 在宅薬局を運営するには薬剤師は何人必要ですか?

A. 月50件規模なら薬剤師2名+事務1名から開始可能。月100件超になると薬剤師3〜4名体制が必要になります。立ち上げ期は管理薬剤師1名+兼任薬剤師1名のミニマム体制から始める薬局も多いです。

Q. 初期投資はどれくらい必要ですか?

A. 既存の薬局で在宅を始める場合、車両(リース可)・タブレット・薬剤師の教育費で50〜100万円程度。新規開設の場合は2,000〜3,000万円規模が必要です。

Q. 地方と都市部、どちらが在宅薬局の収益性が高いですか?

A. 地方の方が収益性が高い傾向があります。理由は競合が少なく、訪問単価が高めに設定でき、人件費が低いため。ただし訪問移動時間が長くなる課題があり、運用設計の工夫が必要です。

まとめ:在宅薬局は「構造的に儲かる」が「やり方次第」

在宅薬局は、技術料の高さ・処方単価の高さ・競合の少なさという3つの構造要因により、調剤専業より儲かりやすい業態です。一方で、月100件規模の安定運営に到達するまでに2〜3年を要し、立ち上げ期の苦労を乗り越えられるかが分岐点になります。

「儲かる」を狙うなら、訪問件数の積み上げと連携先の多角化、残薬整理など付加価値の提供を地道に続けることが王道です。今日から始められる小さな一歩を、ぜひ踏み出してみてください。

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出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月14日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。
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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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