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サ高住で居宅療養管理指導は算定できる?単一建物の区分と間違えやすいケース【2026年版】

サ高住で居宅療養管理指導は算定できる?|在宅ファーマ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居している患者さんへの訪問依頼を受けたとき、最初に迷うのが「そもそも算定できるのか」という点です。結論からお伝えすると、サ高住の入居者には居宅療養管理指導を算定できます。サ高住は介護保険上、施設ではなく「住まい(居宅)」として扱われるためです。ただし、同じ建物で複数の入居者を担当することが多いぶん、単一建物居住者の人数区分をどう判断するかが実務上のポイントになります。本記事では、算定できる根拠、保険の適用区分、単位数の3区分、間違えやすいケースの順に整理します。

目次

サ高住は「居宅」扱い——算定できるのが原則

サ高住は、バリアフリー構造の住まいに安否確認・生活相談サービスが付いた高齢者向けの賃貸住宅です。特別養護老人ホームや介護老人保健施設のような介護保険施設ではなく、入居者が自宅として暮らす「居宅」という位置づけです。そのため、医師の指示にもとづいて薬剤師が訪問し、薬学的管理指導を行えば、居宅療養管理指導の算定対象になります。この点で、特養や老健など「算定できない・原則できない」施設類型とは扱いが大きく異なります。

「外観が施設に見えるから算定できないのでは」と誤解して依頼を断ってしまう薬局もありますが、これは大きな機会損失です。サ高住は1棟に多くの入居者が集まっているため、在宅の件数を効率よく積み上げやすい訪問先でもあります。まずは「サ高住=居宅、算定できるのが原則」という前提を押さえてください。

介護保険と医療保険、どちらで算定するか

算定できるとわかったら、次に確認するのは保険の適用区分です。判断基準はシンプルで、要介護・要支援認定を受けている入居者は介護保険(居宅療養管理指導)が優先されます。認定を受けていない入居者へ訪問薬剤管理を行う場合は、医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料(650点・320点・290点)で算定します。

入居者の状態適用される保険算定する項目
要介護・要支援認定あり介護保険(優先)居宅療養管理指導費
認定なし医療保険在宅患者訪問薬剤管理指導料(650点・320点・290点)

サ高住の入居者は要介護・要支援認定を受けている方が大半のため、実務では介護保険での算定が中心になります。受け入れ時に介護保険証で認定の有無と有効期間を確認する運用にしておくと、適用の取り違えを防げます。認定状況は更新などで変わることがあるため、施設やケアマネジャーと最新の情報を共有しておくことも大切です。

単位数は「単一建物居住者の人数」で3区分

薬局の薬剤師が行う居宅療養管理指導費は、同一の建物で担当する人数(単一建物居住者の人数)によって、次の3つの区分に分かれます。

単一建物居住者の人数単位数(1回あたり)
1人518単位
2〜9人379単位
10人以上342単位

居宅療養管理指導費は全国共通で1単位=10円です。地域区分による単価の上乗せはありません。サ高住では同じ建物内の複数の入居者を担当するケースが多いため、実務では379単位または342単位の区分が中心になります。1回あたりの単位数は1人区分より下がりますが、建物内の移動だけで複数の患者さんに対応できるため、時間あたりの効率はむしろ高くなりやすいのがサ高住在宅の特徴です。

なお、「誰を人数に含めて数えるか」という単一建物居住者の具体的な数え方には細かい論点があり、判断を誤ると区分を取り違えるおそれがあります。本記事では深入りせず、算定要件の全体像とあわせて「【2026年最新】居宅療養管理指導の算定要件と単価」で確認することをおすすめします。

回数の上限は原則月4回まで

居宅療養管理指導は原則として月4回まで算定できます。例外として、末期の悪性腫瘍の患者さんなど一部の場合は週2回かつ月8回まで算定可能です。サ高住は定期訪問のスケジュールを組みやすい訪問先なので、この上限を前提に月間の訪問計画を設計することになります。月の途中から訪問を開始した場合や臨時の対応が必要になった場合も、この上限の範囲内で算定することになります。

また、情報通信機器を用いた服薬指導には別の区分が設けられています。対面訪問と組み合わせる場合は、どの区分で算定するのかを事前に整理しておきましょう。

収益面から見たサ高住:ストック型の積み上げ

サ高住在宅の収益は「1回あたりの単位数×回数×人数」の掛け算で決まります。複数人を担当すると1回あたりの区分は下がるものの、契約にもとづく定期訪問が毎月続くため、処方箋の来局を待つ外来のフロー型と違い、月ごとに積み上がるストック型の売上になります。

同じ時間で個人宅1軒よりも多くの患者さんに対応できるため、人件費あたりの生産性も高めやすい構造です。1棟の受託が決まると件数がまとまって増えるのもサ高住の特徴で、在宅の立ち上げ期に収益の土台をつくる訪問先として適しています。また、サ高住には訪問診療の医師や訪問看護師も出入りするため、多職種との接点が自然に増えます。ここでの連携実績が、次の施設や個人宅の紹介につながることも珍しくありません。

間違えやすいケース4つ

サ高住の算定でつまずきやすいのは、可否そのものよりも「区分」と「タイミング」です。よくある間違いを4つ挙げます。

  • 認定の有無を確認せず介護保険で算定してしまう:認定を受けていない入居者は医療保険(在宅患者訪問薬剤管理指導料)の対象です。受け入れ時の確認を徹底しましょう
  • 担当人数が変わったのに区分を見直さない:入居者の入院・逝去・新規受け入れで、同一建物の担当人数は毎月のように変動します。人数が変われば適用区分も変わります
  • 入院中やショートステイ利用中に算定してしまう:居宅で生活していない期間は算定できません。詳しくは「居宅療養管理指導が算定できないのはどんなとき?よくあるケース7つと対処法」をご覧ください
  • 医師の指示や情報提供文書の確認が漏れる:訪問の前提となる指示・文書の確認と記録は、施設系の訪問でも省略できません

いずれも「訪問前のひと手間」で防げるものばかりです。受け入れ時と毎月の訪問前に確認する項目をチェックリスト化し、担当者が変わっても同じ精度で確認できる仕組みにしておきましょう。

まとめ:サ高住は在宅の件数を積み上げる土台になる

サ高住は居宅扱いのため、居宅療養管理指導を算定できるのが原則です。実務のポイントは、①認定の有無で介護保険か医療保険かを判断する、②単一建物居住者の人数区分(518単位・379単位・342単位)を正しく適用する、③原則月4回の上限を前提に訪問計画を組む、の3点に集約されます。逆にいえば、この3点さえ運用に組み込めば、サ高住の算定で大きく迷うことはありません。

1棟で複数の入居者を担当できるサ高住は、在宅の件数と収益を積み上げる土台として相性のよい訪問先です。自局の算定に取りこぼしや誤りがないかは、無料の「在宅算定 まるごと判定」でチェックできます。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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