在宅の依頼を増やす薬局の営業完全ガイド|医師・ケアマネ・地域包括・病院から選ばれる方法

在宅の依頼を増やす営業完全ガイド|在宅ファーマ

「在宅を伸ばしたいのに、依頼が来ない」「営業と言われても、何をすればいいのかわからない」——在宅に参入した薬局が最初にぶつかる壁です。結論から言うと、在宅の依頼を増やす鍵は売り込みではなく、紹介元ごとに「求められる情報」を「求められる形」で届け続けることにあります。医師・ケアマネジャー・地域包括支援センター・病院連携室は、それぞれ薬局に求めるものが違います。本記事では、紹介元の見取り図から、紹介元別のアプローチ法、最初の1件をもらうまでの90日プラン、営業ツールの作り方、断られたときの関係維持、紹介が紹介を生むループの作り方まで、在宅営業の全体像をこの1本で解説します。

目次

在宅の依頼はどこから来るか|まず紹介元の見取り図を持つ

営業を始める前に、在宅の依頼がどの経路で発生するのかを押さえましょう。編集部が薬局の相談を受けてきた範囲では、紹介元は大きく5つに分かれます。どの経路が太くなるかは薬局の立地や既存の関係によって幅がありますが、見取り図として次のように整理できます。

紹介元依頼が生まれる場面特徴
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)利用者の残薬・飲み忘れなど服薬の困りごとをきっかけに、サービス調整の中で薬局を探す件数の中心になりやすい。1人と信頼関係ができると継続的に紹介が生まれる
在宅医・訪問診療クリニック訪問診療を開始する患者の処方先として、対応できる薬局を探す1人の医師との関係が複数患者の依頼につながる。対応力と報告の質が問われる
外来の医師(門前・近隣)通院が難しくなった外来患者を在宅へ切り替える既存の処方関係の延長で始めやすく、最初の1件になりやすい
病院(地域医療連携室)退院支援・退院時カンファレンスで在宅の受け皿を探す麻薬・無菌調剤・24時間対応など体制要件で選別されやすい
家族・患者本人店頭での相談や「地域名+薬局+在宅」の検索数は多くないが、かかりつけ関係から自然に生まれる

重要なのは、紹介元ごとに「困るタイミング」と「薬局に求めるもの」がまったく違うという点です。全員に同じチラシを配って回る営業が機能しないのはこのためです。なお、店頭からの相談を在宅につなげる土台としては、かかりつけ機能の整備が効きます。「かかりつけ薬剤師ガイド」もあわせてご覧ください。

もう1つ押さえておきたいのが、紹介経路は1本に依存させず、複数の芽を同時に育てるという原則です。たとえば施設1か所や在宅医1人に依頼が集中している状態は、一見順調でも、契約の切り替えや医師の閉院ひとつで在宅の売上が消えるリスクを抱えています。ケアマネ経由・医師経由・病院経由の3系統をそれぞれ細くてもよいので育てておくと、経営としての在宅は格段に安定します。

「営業」への心理的抵抗を外す|売り込みではなく情報提供

薬剤師の多くは「営業」という言葉に強い抵抗を感じます。しかし在宅の営業は物を売り込む行為ではなく、服薬で困っている患者と、対応できる薬局をつなぐ情報提供です。視点を変えると、景色が変わります。

  • ケアマネジャーは、残薬が山になった利用者の対応先を探しています。「訪問できる薬局がある」という情報は、ケアマネにとって価値そのものです
  • 医師は「任せられる薬局がどこにあるか」を知らないだけ、というケースが少なくありません
  • 逆に言えば「営業しないこと」は、困っている患者に選択肢が届かないという結果を生みます

実際に在宅を始めた薬局が紹介元から「もっと早く教えてほしかった」と言われる場面は珍しくありません。「自分が売る」ではなく「相手の困りごとを解決する」に主語を切り替えるだけで、訪問のハードルは大きく下がります。また経営面でも、在宅は外来と異なる収益構造を持ち、体制が整えば安定収益源になります。数字のイメージは「在宅薬局の収益シミュレーション」で確認できます。

最初の一歩が踏み出せないときは

それでも最初の訪問は緊張するものです。踏み出しやすくするコツは、「営業に行く」ではなく「情報を届けに行く」用事を先に作ることです。たとえば「在宅対応を始めたので、対応一覧をお持ちしました」「供給が不安定な医薬品の代替情報をまとめたのでお渡しします」といった具体的な用件があれば、会話は自然に始まります。売り込む必要はありません。置いてくるだけでも、相手が困ったときに思い出してもらえる確率は確実に上がります。

紹介元別アプローチ法|相手が求めるものはそれぞれ違う

ここが本記事の核心です。同じ「挨拶回り」でも、相手によって刺さる話題と避けるべき話題が異なります。まず全体を比較表で押さえてください。

紹介元相手が求めるもの有効なアプローチ避けたいこと
在宅医臨時処方への対応スピード、麻薬・無菌などの対応力、報告の質対応可能一覧を持って訪問し、臨時対応の連絡フローを具体的に示す「何でもできます」という漠然とした売り込み
外来の医師通院困難になった患者を切らさず在宅へ移行できる安心感「通院が難しくなった患者さんのご相談窓口」として案内を置いてもらう患者の囲い込みと受け取られる動き
ケアマネジャー服薬トラブルを気軽に相談できる相手、介護保険の書類・調整への理解事業所への定期訪問、残薬・飲み忘れ相談の受付、担当者会議への参加専門用語だらけの説明、算定の話から入ること
地域包括支援センター地域の困りごとに応えてくれる中立的な相談先お薬講座・介護予防教室の講師を引き受け、顔の見える関係を作る特定事業者への誘導と見える行為
病院の地域連携室退院患者を任せられる薬局の体制情報(麻薬・無菌・24時間)対応可能一覧表を連携室に登録してもらう、退院時カンファレンスに参加する体制の誇張。できないことを「できる」と言うこと

ケアマネジャーには「相談のしやすさ」を届ける

ケアマネジャーが日常的に直面しているのは、残薬の山・飲み忘れ・薬の管理ができなくなった利用者です。「こういう状態を見つけたら、契約前でもいつでも電話ください」と相談の入口を無料で開放するのが最も効果的です。サービス担当者会議に呼ばれたら大きな前進です。会議での立ち回りは「サービス担当者会議で薬剤師は何を話す?」で具体的に解説しています。

医師には「対応力」と「報告の質」を示す

医師が知りたいのは、臨時処方が出たとき何時間で届くのか、麻薬や注射薬に対応できるのか、訪問後にどんな報告が返ってくるのか、という具体です。挨拶時に報告書のサンプルを1枚見せると、言葉で説明するより伝わります。

外来の医師には「在宅移行の相談窓口」になる

門前・近隣の外来医に対しては、新しい何かを売り込む必要はありません。「通院が難しくなってきた患者さんがいたら、ご相談ください」という相談窓口のポジションを取るだけで十分です。外来から在宅への切り替えは処方元が変わらないため、医師にとっても患者にとっても負担が小さく、薬局にとっては最初の1件が最も生まれやすい経路です。ただし、門前の医師に無断で話を進めるのは厳禁です(後述の「やってはいけない営業」を参照)。

地域包括支援センターには「中立的な貢献」から入る

地域包括支援センターは公的な相談機関であり、特定の事業者を推薦する立場にありません。だからこそ、売り込みではなく地域への貢献から関係を作るのが正解です。住民向けのお薬講座、介護予防教室での残薬・ポリファーマシーの話、認知症カフェへの参加など、頼まれごとを引き受けているうちに「薬のことはあの薬局に聞ける」という位置づけができあがります。時間はかかりますが、包括経由の相談は困難事例も含めて信頼度の高い依頼につながります。

病院連携室には「体制情報」を登録してもらう

連携室の担当者は、退院前の限られた時間で「この患者を頼める薬局」を探します。個別の売り込みよりも、対応エリア・体制を一覧化した資料を連携室の手元に置いてもらうことが実利につながります。退院時カンファレンスに呼ばれたら、必ず日程を優先して参加してください。カンファレンスの場での提案の質が、その病院からの2件目以降を左右します。

選ばれる薬局の条件|体制は「正直な開示」が武器になる

営業の入口が開いても、体制が伴わなければ依頼は続きません。紹介元が最終的に見ているのは、おおむね次の条件です。

  • 対応スピード:依頼から初回訪問まで、臨時処方から届けるまでの早さ
  • 麻薬調剤:麻薬小売業者免許と、注射薬・貼付剤への対応
  • 無菌調剤:クリーンベンチ等の設備、または共同利用の体制
  • 24時間対応:夜間・休日の連絡体制と、実際につながる運用
  • 医療材料・衛生材料:薬と一緒に供給できるか
  • 介護保険の実務:ケアプランへの理解、書類対応の確実さ

すべてを最初から揃える必要はありません。むしろ「できること・できないこと」を正直に開示する薬局のほうが信頼されます。できないことを曖昧にして受けると、最初の1件で信頼を失います。なお、在宅の収益の柱である居宅療養管理指導は単一建物診療患者数に応じて518/379/342単位と定められており、算定要件の理解は営業トークの裏付けにもなります。詳細は「居宅療養管理指導の算定要件と単価【完全ガイド】」をご覧ください。

最初の1件をもらうまでの90日プラン

「何から始めるか」を迷わないよう、90日を4つのフェーズに分けた週次アクションを示します。件数はいずれも編集部の目安で、商圏の規模により調整してください。

期間週次アクションこの期間のゴール
1〜2週目商圏内の在宅医・居宅介護支援事業所・地域包括をリスト化(目安30件)。薬局紹介シートと対応可能一覧表を作成する訪問先リストと営業ツールが揃っている
3〜4週目門前・近隣の医師とケアマネ事業所へ挨拶回り(週5件目安)。処方元の医師には最優先で仁義を通す主要な紹介元に顔と薬局名を覚えてもらう
5〜8週目地域ケア会議・事業所の勉強会・薬剤師会の研修に顔を出す。残薬相談・服薬相談の無料受付を開始し、ケアマネに案内する「困ったら相談していい相手」と認識される
9〜12週目相談から小さな1件(臨時の残薬整理、施設の単発対応など)を受ける。対応後は必ず紹介元へ報告する最初の依頼を受け、その紹介元と継続関係ができる

ポイントは、90日で「契約を取りに行く」のではなく「相談される関係を作る」ことです。依頼は関係の結果として後から来ます。焦って契約を迫ると、かえって遠回りになります。

90日プランでつまずきやすいポイント

  • リスト化で止まる:完璧なリストを作ろうとして訪問が始まらないパターンです。まず10件で回り始め、リストは走りながら足しましょう
  • 挨拶回りが1周で終わる:1回の訪問は「認知ゼロが1になった」だけです。2周目・3周目の接点を最初から予定に組み込んでおきます
  • 店舗業務に押し流される:営業の時間を「空いたらやる」にすると必ず消えます。週の決まった曜日・時間帯を訪問枠として先にブロックしてください
  • 最初の1件を選り好みする:臨時対応や単発の残薬整理など「小さく面倒な依頼」こそ、信頼を作る入口です

営業ツールの整備|紹介シートと対応可能一覧表

薬局紹介シート(A4・1枚)

挨拶回りで置いてくる基本ツールです。盛り込む要素は次のとおりで、1枚に収めることが絶対条件です。

  • 薬局名・所在地・地図・駐車場の有無
  • 訪問対応エリアと訪問可能な曜日・時間帯
  • 対応体制(麻薬・無菌・24時間・医療材料など)の○×
  • 連絡先と「確実につながる時間帯」、FAX・メールなど受付手段
  • 担当薬剤師の顔写真とひとこと(相手は「誰が来るのか」を見ています)

対応可能一覧表(連携室・ケアマネ向け)

病院連携室やケアマネが本当に使うのは、パンフレットではなく体制を○×で即断できる一覧表です。相手は「この患者さんを頼めるか」を数秒で判断したいからです。作成時の注意は3つです。

  • 更新日を必ず入れる(古い情報は事故のもとで、信頼も落とします)
  • できないことも正直に書く(○ばかりの表はかえって疑われます)
  • 依頼方法(電話・FAX・地域連携システムなど)と受付時間を明記する

配り方と更新の運用

ツールは作って終わりではなく、配り方と更新の運用までがセットです。次のルールを決めておきましょう。

  • 訪問時は必ず紹介シートを1枚置いてくる(渡す相手が不在でも受付に託す)
  • 体制に変更があったら(麻薬免許の取得、訪問枠の拡大など)、それを口実に再訪問する
  • 半年に1回は内容を見直し、更新日を改める(変更がなくても「変わっていません」の連絡が接点になります)

断られたときの切り返しと関係維持

挨拶回りでは「もう決まった薬局がある」「今は必要ない」と言われるのが普通です。断られてからが営業の本番と考えてください。代表的な場面ごとの現実的な返し方を挙げます。

  • 「今は結構です」→「お困りの患者さんが出たときのために、対応一覧だけ置かせてください」。その場で決めてもらう必要はありません
  • 「付き合いのある薬局がある」→「臨時や夜間など、既存の薬局さんが対応しづらい場面のバックアップとしてお使いください」。2番手のポジションは十分に価値があります
  • 反応が薄い→翌月また、相手に役立つ情報(改定の要点、供給が不安定な医薬品の代替情報など)を持って顔を出す

一度の訪問で依頼が決まることはほぼありません。2〜3か月に1回、相手の役に立つ情報を持って接点を作り続ける——この継続だけが、既存の関係に割って入る唯一の方法です。訪問記録を残し、前回話した内容の続きから話せるようにしておきましょう。

関係維持に使える「手土産」は情報

継続訪問で毎回話題に困らないよう、情報提供のネタをストックしておくと運用が楽になります。

  • 介護報酬・診療報酬の改定情報を1枚にまとめた資料(ケアマネに特に喜ばれます)
  • 供給が不安定な医薬品と代替候補の最新情報(医師・ケアマネ共通で需要があります)
  • 残薬・飲み忘れ対応の事例集(匿名化したうえで「こんな解決ができます」を見せる)
  • 季節の注意情報(熱中症と利尿薬、冬場の感染症と解熱薬の備えなど)

依頼が来たときの初動が、次の依頼を決める

最初の依頼は、紹介元からの「お試し」です。この1件の対応品質が、2件目以降が来るかどうかをほぼ決めます。初動で徹底したいことは次の3つです。

  • 依頼の電話で訪問日を即答する:「確認して折り返します」を挟むほど、相手の中の評価は下がります。即答できる受付ルールを事前に決めておきましょう
  • 初回訪問の当日〜翌日に紹介元へ一報を入れる:内容は短くて構いません。「すぐ動いて、すぐ報告が来る」という体験が信頼になります
  • 報告書は相手が知りたいことから書く:飲めているか・残薬はどうか・生活面の変化は何か。専門用語の羅列は読まれません

報告書の質を安定させるには、書式を最初に固めてしまうのが近道です。編集部としては、次の順番で書く型をおすすめしています。

  • 結論:服薬状況はどうか(飲めている/飲めていない、その原因)
  • 残薬:何がどれだけ残っているか、調整の提案
  • 変化:体調・生活面で気づいた変化、副作用が疑われる所見
  • 依頼・提案:処方や介護サービスに関する具体的な相談事項

医師・訪問看護師・ケアマネへの情報共有の型は「在宅医療の多職種連携ガイド」で整理しています。また、受けた在宅を収益として確実に回収する算定体制も初動のうちに整えたいところです。自局の算定漏れは「在宅算定 まるごと判定(無料)」で3分で確認できます。

紹介が紹介を生むループの作り方

在宅営業のゴールは、新規開拓を続けることではなく、既存の紹介元から紹介が生まれ続ける状態を作ることです。ループを回す仕掛けは次のとおりです。

  • 毎回の訪問報告を欠かさない:報告の質と頻度が、そのまま口コミの源泉になります
  • 改善事例を共有する:「残薬が大幅に減った」「服薬が安定して再入院を避けられた」など、個人が特定されない形で紹介元に伝える
  • 担当者会議で薬剤師の視点を発言する:同席した他のケアマネ・事業所への最大のプレゼンになります
  • 「その後どうなったか」をフィードバックする:紹介した側は結果を知りたいもの。数か月後の経過報告は想像以上に喜ばれます

特にケアマネジャーは事業所内・地域の勉強会での横のつながりが強く、1人に信頼されると「あそこの薬局は動いてくれる」という評判が面で広がっていきます。逆に、報告のない薬局は静かに紹介リストから外れていきます。

デジタルの入口を整える|Googleビジネスプロフィールとホームページ

家族が「地域名+薬局+在宅」で検索して問い合わせてくる経路は、無視できない入口になっています。訪問営業と違い、一度整備すれば24時間働いてくれるのがデジタルの強みです。

Googleビジネスプロフィール

  • ビジネス情報と投稿に「在宅訪問対応」「訪問エリア」を明記する
  • 外観・内観の写真と営業時間を最新に保つ(古い情報は機会損失に直結します)
  • 口コミには丁寧に返信する(家族は口コミと返信の両方を見ています)

具体的な設定手順は「薬局のMEO対策ガイド」で解説しています。

ホームページ

  • 在宅対応の専用ページを作る(対応エリア・体制・利用開始までの流れ・費用の目安)
  • 問い合わせ導線は電話とフォームの両方を用意する(家族は日中電話できないことが多い)
  • ケアマネ・医療機関向けの案内ページを分けて作ると、紹介元にも使ってもらえます

費用の目安を明記しているページは意外に少なく、それだけで家族の不安を一段下げられます。負担割合で幅がある旨を添えたうえで、概算を示しましょう。

やってはいけない営業|信頼を一撃で失う行為

在宅営業の失敗の多くは、やり方の巧拙ではなく信頼の毀損から起こります。次の行為は短期的に効いているように見えても、確実に自分の首を絞めます。

  • 他薬局の悪口・比較で落とす話法:ケアマネや医師は地域の薬局同士のつながりも見ています。他者を下げる営業は自分の評価を下げます
  • できない体制を「できる」と言う過剰な約束:最初の1件で露呈し、回復不能な不信につながります
  • 門前・処方元の医師への不義理:外来患者を無断で在宅に切り替えるなど、既存の処方関係を損なう動きは厳禁です。必ず事前に仁義を通しましょう
  • 過度な手土産・接待に頼る営業:公的な立場の相手にはむしろ逆効果で、規制面のリスクもあります
  • 一度の訪問で契約を迫る:相手の警戒心を上げるだけです
  • 患者情報の不用意な取り扱い:事例共有は必ず匿名化し、同意の範囲を守ってください

効果測定|紹介元別の記録が営業を資産に変える

営業を続けるほど「どこに時間を使うべきか」の判断が必要になります。感覚に頼らず、最低限次の項目を記録しましょう。表計算ソフトで十分です。

記録項目記録する内容見るポイント
紹介元どの事業所・誰からの依頼か紹介が集中している相手=関係をさらに深める先
依頼内容定期/臨時、個人宅/施設、対応した内容単発で終わった依頼のフォロー漏れがないか
営業活動いつ・どこへ・何を持って訪問したか活動量と依頼数の対応関係(効いている活動はどれか)
結果と理由受任/見送り/保留と、その理由断られた理由の傾向(体制不足なら投資判断の材料になる)

件数の水準は薬局により幅があるため、他局との比較よりも自局の前月比・前四半期比で見るのが実用的です。あわせて、在宅1件あたりの採算を把握しておくと「どの依頼をどこまで受けるか」の判断がぶれません。「処方箋1枚あたりの利益」と「薬局の収益構造を図解」を参考に、営業活動を収益の言葉に翻訳しておきましょう。

まとめ|在宅営業は「信頼の積立」である

在宅の依頼を増やす営業に、裏技はありません。紹介元ごとに求められるものを理解し、正直な体制開示と質の高い報告を積み重ねる——これが最短距離です。訪問営業・ツール・デジタル・効果測定はすべて、この信頼の積立を支える仕組みにすぎません。逆に言えば、積み上げた信頼は競合が一朝一夕には真似できない参入障壁になります。まずは商圏のリスト化と紹介シートの作成から、今週着手してみてください。90日後には「相談される薬局」への入口に立っているはずです。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月2日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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