オンライン服薬指導は、コロナ禍を契機に急速に普及し、2026年現在では「使いこなしている薬局」と「導入していない薬局」の差が経営面でも明確になってきました。本記事では、オンライン服薬指導の制度概要、算定要件の整理、導入の5ステップ、在宅医療と組み合わせた活用法、収益インパクトまで、薬局がゼロから始めるための完全ガイドとして解説します。
オンライン服薬指導とは【2026年の制度概要】

オンライン服薬指導とは、薬剤師がスマートフォン・PCなどの情報通信機器を用いて、患者と映像・音声でコミュニケーションを取りながら服薬指導を行う制度です。2019年成立の改正薬機法により2020年9月から正式に制度化され、2022年・2024年の改定で要件が緩和され、現在では幅広い処方箋で対応可能となっています。
対応可能な処方箋
- 初回処方箋(一定要件下で可能)
- 継続処方箋
- 麻薬・向精神薬を含む処方箋(追加要件あり)
- 在宅医療における処方箋
2024年改定での主な変更点
- かかりつけ薬剤師の活用要件の緩和
- 遠方患者への対応の明確化
- 在宅患者へのオンライン服薬指導料の算定範囲拡大
算定要件の整理
外来患者へのオンライン服薬指導
システムは「患者の入口がどこか(既存患者か新規患者か)」「固定費型か成果連動型か」「在宅・施設患者に使えるか」の3軸で選ぶと迷いません。製品ごとの費用と機能は下記の比較記事に集約しています。
各システムの費用と機能は専用記事にまとめています
Pharms・kakari・SOKUYAKU・curon お薬サポートの4システムについて、初期費用/月額/患者の入口/在宅対応可否を一覧表で比較し、薬局タイプ別のおすすめまで整理しています。
在宅医療×オンラインの組み合わせ活用法
活用パターン①:訪問頻度の最適化
月2回の訪問のうち、1回をオンラインに切り替えることで、薬剤師の移動時間を約半減できます。患者の状態が安定している場合に特に有効です。
活用パターン②:遠方家族の同席
遠方に住む家族をオンラインで同席させ、服薬指導や家族介護のアドバイスを共有。これは個別訪問では実現困難な価値提供です。
活用パターン③:緊急時の早期対応
患者・家族からの「飲み忘れた」「副作用が出た」等の連絡に、その場でオンラインで対応。即時対応できれば、訪問予定の前倒しや救急要請の判断が早くなります。
導入の5ステップ

Step 1: 届出と要件確認
- 地方厚生局への届出
- 院内マニュアルの整備
- 薬剤師の研修受講
Step 2: システム選定と契約
- 上記比較表をもとに自店に合うシステムを選定
- 3社程度に資料請求・デモ依頼
- 無料トライアルの活用
Step 3: 院内オペレーション設計
- 担当薬剤師・時間帯の決定
- 処方箋受付フローの整備
- 配送方法の選択(郵送・宅配・自宅配送)
Step 4: 患者・連携先への周知
- 店頭・HPでの告知
- 近隣クリニックへの案内
- 既存在宅患者への提案
Step 5: 運用開始と改善
- 月10〜20件から開始
- 運用上の課題を毎月レビュー
- 3ヶ月後に件数・収益・満足度を評価
読者特典
2大特典「点数早見表」+「併算定可否早見表」PDFを無料配布中
居宅療養管理指導の単位数・医療保険の点数と、併算定できる/できないの一覧を各1枚に凝縮。LINE友だち追加ですぐ受け取れます。
LINEで2大特典を受け取る収益インパクトのシミュレーション
月30件のオンライン服薬指導を提供する場合の収益試算です。前提:外来は服薬管理指導料(オンライン)59点×20件、在宅は「訪問(単一建物1人・650点)+オンラインフォロー(59点)」の組み合わせを月10件と仮定しています。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 外来オンライン服薬指導料(月20件) | 約12,000円 |
| 在宅×オンラインの組み合わせ(訪問650点+オンライン59点、月10件) | 約71,000円 |
| 追加技術料(薬剤情報提供) | 約10,000円 |
| 月間収益 | 約93,000円 |
| 年間(×12ヶ月) | 約110万円 |
初期導入費用とランニングコストを差し引いても、1年で数十万円の純増益が見込めます。何より「来局困難な患者への新たな価値提供」という非経済的なメリットが大きい施策です。
よくある質問
Q. 高齢患者にオンラインは難しいのでは?
A. 確かにご本人だけでの操作は難しいケースもありますが、家族介護者の協力を得る運用なら8割の患者で導入可能です。施設在宅では介護職員がサポートしてくれるため特に始めやすいです。
Q. 麻薬・向精神薬もオンライン服薬指導できますか?
A. 可能ですが、追加要件があります。本人確認の厳格化、配送時の本人受取確認、処方医との連絡密度などを満たす必要があります。導入初期は通常薬剤から始め、慣れてから麻薬対応に拡大するのが現実的です。
Q. 処方薬の配送はどうしていますか?
A. 主な選択肢は3つ。①薬局スタッフが直接配送、②宅配便(ヤマト等の医薬品対応サービス)、③地域配送業者との提携。距離・件数に応じて使い分けます。
Q. オンライン服薬指導の患者からのキャンセル率は?
A. 5〜15%程度。リマインダー機能のあるシステムを使うことで5%以下に抑えられます。前日と当日の自動リマインドを必ず設定しましょう。
まとめ:オンライン服薬指導は「新たな収益源」と「在宅効率化」の両方に効く
オンライン服薬指導は、外来薬局にとっては新たな患者接点、在宅薬局にとっては訪問効率化と価値提供の拡張、両方の側面でメリットがあります。導入のハードルはここ数年で大きく下がり、無料プランや小規模からのスタートも可能です。
まずは月10件を目標に、システム1社の無料トライアルから始めてみることをお勧めします。3ヶ月後には、自店の業務にしっかり溶け込んでいるはずです。
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最終更新日:2026年6月13日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。
出典・参考(一次情報)
本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。
- 厚生労働省(診療報酬・介護報酬の告示・通知・疑義解釈資料)
- WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)(介護報酬・介護保険制度の解説)
- e-Gov法令検索(健康保険法・介護保険法などの条文)
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