「オンライン服薬指導を始めたいが、システムが多すぎてどれを選べばいいか分からない」——本記事では、主要4システム(Pharms・kakari・SOKUYAKU・curon)を費用体系と得意分野で整理し、薬局のタイプ別にどれを選ぶべきかを解説します。結論から言うと、「既存患者の維持」か「新規患者の獲得」かで選ぶべきシステムは変わります。
先に結論:薬局タイプ別のおすすめ
- 既存のかかりつけ患者との接点を深めたい → kakari(チャット・お知らせ機能が厚い)
- 近隣クリニックがオンライン診療をやっている → Pharms(CLINICS連携で処方箋が流れてくる)
- 固定費ゼロで新規患者を取りたい → SOKUYAKU(マーケット型・月額無料)
- まず小さく試したい → curon お薬サポート(初期・月額無料)
主要4システム比較表(2026年7月時点)
| システム | 提供会社 | 特徴 | 費用の目安 | 向いている薬局 |
|---|---|---|---|---|
| Pharms(ファームス) | 株式会社メドレー | SMSで案内でき患者側の専用アプリ不要。オンライン診療「CLINICS」と同一グループで、クリニック連携の処方箋受付〜服薬指導〜決済が一気通貫 | 要問い合わせ | 近隣クリニックがオンライン診療を実施している薬局 |
| kakari(カカリ) | メドピアグループ | かかりつけ薬局専用アプリ。処方箋送信・双方向チャット・一斉お知らせなど、既存患者の囲い込み機能が厚い | 月額制(要問い合わせ) | 門前・かかりつけの既存患者との継続接点を強化したい薬局 |
| SOKUYAKU(ソクヤク) | ジェイフロンティア株式会社 | 患者マッチング型のマーケットプレイス。オンライン診療〜服薬指導〜薬の当日配送まで対応 | 月額システム利用料無料(成果連動) | 固定費をかけず新規のオンライン患者を獲得したい薬局 |
| curon(クロン)お薬サポート | 株式会社MICIN | 初期費用・月額固定費無料。予約・問診・ビデオ通話・クレジット決済までアプリで完結 | 初期・月額無料(決済手数料型) | まずコストゼロでオンライン服薬指導を始めたい薬局 |
※機能・料金は2026年7月時点の各社公開情報に基づきます。非公表の料金は「要問い合わせ」と記載しています。導入判断の際は必ず各社の最新資料でご確認ください。
各システムの特徴を深掘り
Pharms(ファームス)|クリニック連携で処方箋が流れてくる
オンライン診療システム「CLINICS」と同じメドレー社の薬局向けサービスで、最大の強みは診療側との一気通貫です。CLINICSでオンライン診療を受けた患者の処方箋が薬局に流れ、そのままオンライン服薬指導・決済・配送手配まで進みます。患者はSMSの案内から進めるため、専用アプリのインストールを促す手間が小さいのも現場的にはありがたい点です。逆に言えば、近隣にCLINICS導入クリニックがない場合は強みが半減します。導入前に連携先の有無を必ず確認しましょう。
kakari(カカリ)|かかりつけ患者の囲い込みに特化
メドピアグループの「かかりつけ薬局化支援」アプリで、処方箋の事前送信・服薬フォローのチャット・薬局からのお知らせ配信など、既存患者との接点を増やす機能が充実しています。オンライン服薬指導はその接点の延長線にある位置づけです。新規患者を連れてくる仕組みではないため、「処方箋応需を増やしたい」目的には合いませんが、門前の常連患者をデジタルでも逃さない守りの投資としては最有力です。月額制のため、患者数が少ないうちはコストが重く感じられる点は要試算です。
SOKUYAKU(ソクヤク)|マーケット型+当日配送
ジェイフロンティア社のプラットフォームで、オンライン診療から服薬指導、薬の当日配送までを患者アプリ上で完結させる設計です。薬局側は月額システム利用料無料で始められ、プラットフォーム上の患者から選ばれれば新規応需につながります。一方で、患者は「近くの薬局」ではなく「早く届く薬局」を選ぶため、かかりつけ関係の構築には向きません。都市部で配送ニーズが強い商圏か、空き時間にオンライン対応の枠を持てる薬局に向いています。
curon(クロン)お薬サポート|コストゼロで始める定番
MICIN社のサービスで、初期費用・月額固定費が無料(決済時の手数料型)のため、「オンライン服薬指導の件数がまだ読めない」薬局が最初に触るシステムとして定番です。予約・問診・ビデオ通話・決済が一通り揃っており、医科向けcuronを使う医療機関との相性も良好。件数が月に数件程度のうちは実質コストがほぼ発生しない一方、件数が伸びてきたら手数料合計と月額制システムの損益分岐を再計算するタイミングが来ます。
導入前に確認したい3つの落とし穴
- 患者側の操作負担:高齢患者はアプリ登録・ビデオ通話でつまずきます。「家族のスマホで代理接続できるか」「電話サポートはあるか」を確認。在宅の高齢患者が対象なら、なおさら家族経由の導線設計が必須です
- 手数料の実質コスト:「月額無料」でも決済手数料・サービス利用料は発生します。想定件数×客単価で年間コストを試算し、月額制と比較してから決める
- 調剤報酬との整合:オンライン服薬指導は対面より算定が下がるケースがあります。「オンラインに移すべき患者」と「対面・訪問を維持すべき患者」の線引きを先に決めておかないと、便利になったのに収益が下がる事態になりえます
読者特典
2大特典「点数早見表」+「併算定可否早見表」PDFを無料配布中
居宅療養管理指導の単位数・医療保険の点数と、併算定できる/できないの一覧を各1枚に凝縮。LINE友だち追加ですぐ受け取れます。
LINEで2大特典を受け取る前提:オンライン服薬指導のルールと報酬(2026年)
コロナ禍の時限措置(0410対応)は2023年7月末で終了し、現在は改正薬機法にもとづく恒久ルールで運用されています。リアルタイムかつ双方向の音声・映像によるやり取り(ビデオ通話)が必須で、電話のみの指導は原則対象外です。
調剤報酬上は、2024年度改定でオンラインの評価として服薬管理指導料4(オンライン)が設けられ、2026年度改定で区分が再編されました(45点/59点の水準は維持。在宅患者はロの59点)。在宅・介護保険の患者では、居宅療養管理指導費の情報通信機器を用いた場合=46単位(対面と合算して月4回まで)が適用されます。制度の詳細は2026年改定まとめもあわせてご覧ください。
選び方の3軸
軸1:患者の入口はどこか(既存患者 vs 新規患者)
kakari・Pharmsは「すでに来局している患者・近隣クリニックの患者」をオンラインに移す設計、SOKUYAKUは「プラットフォーム上の新規患者」を薬局に流す設計です。既存患者のフォローが目的なのにマーケット型を入れても効果は出ません。まず自局の患者がどこから来るかを整理しましょう。
軸2:費用体系(固定費型 vs 成果連動型)
オンライン服薬指導の件数がまだ読めない段階では、SOKUYAKUやcuronのような固定費無料の成果連動型が試しやすい選択です。件数が安定して増えてきたら、固定費型(kakari等)との損益分岐を計算して乗り換えを検討します。
軸3:在宅・施設患者への使い方
在宅は対面訪問が算定の基本です(居宅療養管理指導の算定要件)。オンライン(46単位)は対面と合算して月4回までなので、「訪問の代替」ではなく「訪問間の体調フォロー・臨時対応の補完」と位置づけるのが現実的です。施設系では家族への服薬説明にビデオ通話を使う運用も広がっています。

導入までの流れ(共通)
- 候補を2〜3システムに絞り、資料請求・デモで操作感を確認
- 薬機法対応(服薬指導計画、記録方法、プライバシー確保)を社内手順に落とす
- 届出・掲示物の整備(薬局機能情報提供制度の報告も忘れずに)
- 既存患者への案内(薬袋・お薬手帳へのQR同封が定番)から小さく開始
よくある質問(FAQ)
費用はいくらかかりますか?
SOKUYAKU・curonは月額固定費無料(成果連動・手数料型)、kakariは月額制(金額は要問い合わせ)、Pharmsは要問い合わせです。まず2〜3社の見積もりを並べるのが確実です。
在宅患者にも使えますか?
使えますが、在宅は対面が基本で、オンラインは46単位・対面と合算して月4回までの補完手段です。詳しくはオンライン服薬指導のやり方・算定要件で解説しています。
報酬は対面と同じですか?
2024年度改定で服薬管理指導料4(オンライン)が設けられ、2026年度改定で区分が再編されました(45点/59点の水準は維持)。最新の点数・要件は告示と疑義解釈で必ずご確認ください。
最終更新日:2026年7月2日
本記事は各社公開情報および厚生労働省の告示・通知を確認のうえ作成しています。機能・料金は変更される場合があるため、導入時は必ず各社の最新資料と原典をご確認ください。
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出典・参考(一次情報)
本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。
- 厚生労働省(診療報酬・介護報酬の告示・通知・疑義解釈資料)
- WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)(介護報酬・介護保険制度の解説)
- e-Gov法令検索(健康保険法・介護保険法などの条文)

