オンライン服薬指導のやり方【2026年版】|当日の流れ・準備・トラブル対処

オンライン服薬指導のやり方と算定要件|在宅ファーマ

コロナ禍を機に解禁されたオンライン服薬指導。2022年の薬機法改正でさらに規制が緩和され、初回からオンラインで対応できるようになりました。しかし、「やり方がよく分からない」「算定要件が複雑」という声はまだ多く聞かれます。

本記事では、オンライン服薬指導の始め方から算定のポイント、在宅との組み合わせ方まで、実践的に解説します。


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目次

オンライン服薬指導とは

自宅でタブレットを前にオンライン服薬指導を受ける高齢の患者と家族
オンライン服薬指導は、患者宅の環境と支える家族の有無で成否が変わる。

オンライン服薬指導とは、ビデオ通話を使って薬剤師が患者に服薬指導を行うことです。2020年9月に正式に解禁され、2022年の法改正でさらに使いやすくなりました。

従来の対面指導との最大の違いは、患者が薬局に来なくてよいという点です。これは、移動が困難な高齢者、遠方に住む患者、仕事で薬局の営業時間に来られない人にとって大きなメリットです。

ただし、「電話だけ」はオンライン服薬指導には該当しません。映像と音声の両方を使ったビデオ通話が必須です。これは、患者の表情や身体の状態を視覚的に確認するためです。


算定要件の整理

オンライン服薬指導を算定するにあたっての要件を整理します。2022年の改正後、かなりシンプルになりました。

基本要件

まず、薬局側にビデオ通話が可能な環境(PC・タブレット+カメラ+ネット回線)が必要です。患者側はスマートフォンがあればOKです。

服薬指導はプライバシーが確保された場所で行う必要があります。調剤室の一角にパーティションを立てるなどの工夫で対応している薬局が多いです。

算定できる報酬

指導の種類算定点数条件
服薬管理指導料(オンライン)イ45点3カ月以内に再度処方箋を持参した患者への再調剤の場合
服薬管理指導料(オンライン)ロ59点在宅患者に行う場合
服薬管理指導料(オンライン)ハ・ニ59点在宅患者の急変時/上記以外の患者の場合

なお、従来の「在宅患者オンライン薬剤管理指導料(59点)」とかかりつけ薬剤師指導料は2026年6月改定で廃止・再編され、オンラインの評価は服薬管理指導料のオンライン区分に統合されました(在宅患者のオンライン服薬指導はロの59点)。点数は対面と同水準であり、移動時間がゼロになることを考えると、時間あたりの生産性はむしろ上がるケースがあります。特に在宅の遠方患者に対しては、訪問の合間にオンラインを挟むことで効率が大幅に上がります。

注意点

処方箋の受付方法にも注意が必要です。オンライン服薬指導の場合、処方箋は原本を後日受け取るか、電子処方箋で対応します。2023年から始まった電子処方箋との併用が最もスムーズです。

薬の配送は、品質管理の観点から配送方法に注意が必要です。温度管理が必要な薬剤(インスリンなど)はクール便を使うか、後日来局してもらう必要があります。


導入の実際

必要なシステム

専用のシステムを導入する方法と、汎用のビデオ通話ツールを使う方法があります。

専用のシステムを使うと、予約管理・ビデオ通話・決済までを一元管理できます。月額1〜3万円程度のコストがかかりますが、運用はスムーズです。薬局向けの主要システム(Pharms・kakari・SOKUYAKU・curon お薬サポート)の費用や選び方は、オンライン服薬指導システム比較4選【2026年版】にまとめています。

一方、LINEのビデオ通話やZoomなどの汎用ツールでも、要件を満たせばオンライン服薬指導は可能です。コストを抑えたい小規模薬局にはこちらの選択肢もあります。ただし、セキュリティの観点から、録画やデータの取り扱いには注意が必要です。

オンライン服薬指導の流れ

実際のオペレーションは以下のように進みます。

①予約受付: 電話やLINEで予約を受け付けます。「○曜日の○時にオンラインでお願いします」と患者から連絡が入ります。

②処方箋の受付: 医療機関からFAXで処方箋を受け取るか、電子処方箋で受信します。

③調剤: 通常通りに調剤を行います。

④ビデオ通話で服薬指導: 約束の時間に、ビデオ通話で患者に薬の説明をします。画面越しに薬の実物を見せながら説明すると、患者の理解度が上がります。

⑤薬の配送: 配送業者を使って患者の自宅に届けます。またはご家族に取りに来ていただきます。

⑥薬歴記入: 「オンラインにて実施」と明記して薬歴を記入します。


在宅×オンラインの活用法

在宅薬局にとって、オンライン服薬指導は「訪問の代替」ではなく、「訪問を補完するツール」として活用するのがベストです。

たとえば、月に4回の訪問が必要な患者さんに対して、2回は訪問、2回はオンラインという組み合わせが考えられます。これにより、移動時間を削減しつつ、服薬フォローの頻度を維持できます。

特に効果が高いのは、退院直後の患者さんへのフォローです。退院後1週間は体調の変化が起きやすい時期ですが、毎日訪問はできません。オンラインなら、5〜10分の短い確認を毎日行うことが可能です。


当日の流れ(準備〜指導〜薬の受け渡し)

薬局側でオンライン服薬指導を行う薬剤師
当日の流れは、準備・指導・薬の受け渡しの3段階で組み立てる。

オンライン服薬指導の全体像は、次の5ステップで固定化すると現場が迷いません。

ステップやることつまずきやすい点
1. 事前準備日時の予約・使用ツールの案内・服薬情報の事前確認案内は電話+書面(またはLINE)の二重で。口頭だけだと当日つながらない
2. 接続・本人確認ビデオ通話を開始し、本人確認と通信状態の確認高齢患者は家族やヘルパーの同席をあらかじめ調整しておくと確実
3. 服薬指導対面と同じ内容を、画面越しの工夫(実物提示・大きな文字)で行う画面共有や実物を見せる準備を事前にしておく
4. 薬の受け渡し配送・家族の受け取り・訪問時に手渡し等、患者ごとに方法を決める温度管理が必要な薬・麻薬等は配送可否の判断が必要
5. 記録薬歴に指導内容と通信状況を記録「オンラインで実施した旨」の記録漏れが監査で指摘されやすい

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よくあるトラブルと対処

  • つながらない・操作できない:初回は必ず「接続テストだけの日」を設ける。家族・ヘルパー同席の時間帯に設定するのが最も確実
  • 途中で通信が切れた:電話に切り替えて指導を完結できるかは要件に関わるため、自局の手順書に「中断時のフロー」を明文化しておく
  • 薬の到着が遅れる:服薬開始が遅れて問題ない処方かを毎回確認。急ぐ薬は配送でなく訪問・家族受け取りに切り替える
  • 画面越しだと理解度が測れない:「復唱してもらう」「お薬カレンダーにその場で入れてもらう」など、行動で確認する

オンラインが向く患者・向かない患者

  • 向いている:状態が安定していて処方変更が少ない/家族やヘルパーがICTを補助できる/通院・訪問の負担が大きい
  • 向いていない:処方変更直後や状態が不安定/嚥下・認知機能の評価が必要(対面でしか得られない情報が多い)/通信環境が整わない
  • 実務の最適解はハイブリッド:毎回オンラインではなく「対面訪問の間をオンラインで補完する」設計が、在宅では最も現実的です

システムの選定は「オンライン服薬指導システム比較4選」、制度全体の整理は「完全ガイド」をご覧ください。

まとめ

オンライン服薬指導は、もはや「先進的な取り組み」ではなく、薬局の標準サービスになりつつあります。特に在宅薬局にとっては、訪問効率を大幅に改善できるツールです。

まずはLINEのビデオ通話など、コストをかけずに始められる方法で試してみてください。患者さんの反応は想像以上にポジティブです。


この記事は厚生労働省の通知および筆者の実務経験に基づいて作成しています。


参考リンク


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監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年6月13日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

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出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

オンライン服薬指導に特別な資格や届出は必要ですか?

薬剤師の追加資格は不要ですが、実施には要件(体制の整備や薬剤師の判断による実施など)があります。要件は改定で変わり得るため、最新の告示・通知・疑義解釈で確認してください。

薬はどうやって患者に渡しますか?

配送、家族の受け取り、次回訪問時の手渡しなどがあります。温度管理が必要な薬や麻薬などは配送の可否を個別に判断する必要があり、患者ごとに受け渡し方法を決めておくのが実務的です。

高齢の在宅患者でもオンライン服薬指導はできますか?

できます。ポイントは本人にICT操作を求めないことです。家族やヘルパーが同席できる時間帯に設定し、初回は接続テストの機会を別に設けると定着しやすくなります。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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