予防居宅療養管理指導と居宅療養管理指導の違い|対象者・点数・算定要件を比較

「予防居宅療養管理指導」と「居宅療養管理指導」は名称が似ているため混同されがちですが、対象者が異なるだけで、薬局薬剤師が算定する単位数は同額です。要支援と要介護で何が変わり、何が変わらないのか。在宅薬剤師が押さえるべき違いと注意点を、比較表と具体例でわかりやすく整理します。

目次

一番の違いは「対象者の介護度」

両者を分ける最大のポイントは対象者の介護度です。どちらを算定するかは、その方の要介護認定の区分で決まります。

  • 居宅療養管理指導:要介護1〜5の方が対象
  • 予防(介護予防)居宅療養管理指導:要支援1・2の方が対象

要支援の方に提供する場合は「介護予防居宅療養管理指導費」、要介護の方には「居宅療養管理指導費」を算定する、という整理になります。サービスの中身(薬学的管理・指導)自体は共通する部分が多く、根本的に別物というわけではありません。

単位数の比較【薬局薬剤師・2024年度改定後=2026年も据え置き】

居宅療養管理指導は介護報酬で、改定は3年ごと(次回は2027年度)。2026年時点では2024年度の単位数が現行です。薬局薬剤師の場合、通常版と予防版で単位数は同じです。

単一建物居住者居宅療養管理指導費介護予防居宅療養管理指導費
1人518単位518単位
2〜9人379単位379単位
10人以上342単位342単位
情報通信機器使用46単位46単位

※「単一建物居住者数」とは、同じ建物(または同一敷地内)に住む方のうち、当該薬局が居宅療養管理指導を行っている人数を指します。人数が多いほど1人あたりの単位は下がる設計です。

算定回数の上限

薬局薬剤師は、訪問と情報通信機器による指導を合わせて月4回まで算定できます。ただし、次の患者は上限が拡大されます。

  • がん末期の患者
  • 中心静脈栄養を受けている患者
  • 麻薬注射剤を投与している患者 → いずれも週2回かつ月8回まで(通常版・予防版とも同様)

算定要件・流れ(通常版・予防版で共通)

  • 医師の指示(訪問の必要性の指示)があること
  • 薬学的管理指導計画を作成していること
  • 実際に患者の居宅を訪問し、薬学的管理・指導を行うこと
  • 指導内容・残薬状況等を記録し、医師等へ情報提供すること

要件の骨格は通常版・予防版で共通です。違いはあくまで「対象者の介護度」と、それに伴う請求上の区分だと理解しておくと混乱しません。

新設加算の扱い

2024年度改定では薬剤師の訪問を対象に加算が設けられています。医療用麻薬持続注射療法加算は250単位、在宅中心静脈栄養法加算は150単位です(最新の要件は原典でご確認ください)。

要支援↔要介護の区分が変わったときの注意点

在宅では、状態変化により要支援と要介護の区分が切り替わることがあります。区分が変わると算定する報酬も「予防居宅療養管理指導費」と「居宅療養管理指導費」の間で切り替わります。月の途中で区分変更があった場合の取り扱いは保険者によって運用が分かれることがあるため、請求前に確認してください。

よくある質問(FAQ)

予防居宅療養管理指導と居宅療養管理指導は単位数が違いますか?

薬局薬剤師の場合は同額です(単一建物1人で518単位など)。違うのは対象者の介護度(要支援か要介護か)です。

要支援の人にはどちらを算定しますか?

要支援1・2の方には「介護予防居宅療養管理指導費」を算定します。要介護1〜5の方は「居宅療養管理指導費」です。

月に何回まで算定できますか?

薬局薬剤師は訪問と情報通信機器を合わせて月4回までです。がん末期・中心静脈栄養・麻薬注射の患者は週2回かつ月8回まで算定できます。

2026年に単位数は変わりましたか?

居宅療養管理指導は介護報酬で改定は3年ごとのため、2026年時点では2024年度の単位数が現行です(次回改定は2027年度予定)。

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監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師)
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」関連告示・通知。単位数は改定の原典で最新をご確認ください。
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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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