【2026年】ドラッグストアvs調剤薬局|売上・年収・将来性をデータ比較|生き残る5つの戦略

ドラッグストア vs 調剤薬局データで徹底比較|在宅ファーマ

「ドラッグストアに調剤が奪われるのでは」——調剤薬局の経営者が感じる危機感は年々高まっています。実際、ドラッグストアの調剤売上は急成長を続けており、業界の勢力図は変わりつつあります。

本記事では、ドラッグストアと調剤薬局のビジネスモデルを比較し、調剤薬局が生き残るための戦略を解説します。


目次

業界の全体像

店舗数の推移

業態店舗数(2023年)増減率(5年前比)
調剤薬局約62,000店微増(+2%)
ドラッグストア約22,000店増加(+15%)
うち調剤併設DgS約12,000店急増(+40%)

売上規模の比較

業態市場規模調剤売上
調剤薬局約8兆円約8兆円(100%)
ドラッグストア全体約9兆円約2兆円(22%)
DgS調剤売上比率年10%以上で成長中

ビジネスモデルの違い

項目調剤薬局ドラッグストア
主な収益源調剤報酬(技術料+薬価差益)物販(食品・日用品・化粧品)+調剤
調剤の位置づけ本業集客装置の一つ
粗利率25〜35%25〜30%(物販含む)
営業利益率3〜8%3〜6%
客単価3,000〜8,000円1,500〜3,000円
リピート率高い(処方箋)中程度
在宅対応積極的これから
立地戦略病院・クリニック近接ロードサイド・商業施設

強みと弱み

調剤薬局の強みDgSの強み
専門性✅ 薬剤師の対人業務に注力△ 物販業務との兼務
在宅対応✅ ノウハウ・体制が整っている△ まだこれから
コスト競争力△ 薬価差益に依存✅ スケールメリット
集客力△ 処方箋がなければ来店なし✅ 日常の買い物で来店
採用力△ 薬剤師確保が困難✅ 待遇面で有利

DgSの調剤進出戦略

戦略内容
調剤併設化新規出店時に調剤カウンターを標準装備
門前薬局のM&A大手DgSによる調剤薬局の買収
処方箋送信アプリ自社アプリで事前送信→待ち時間ゼロ
かかりつけ化健康相談イベントで信頼構築
価格戦略OTCとの同時購入で付加価値を提供

主要DgSの調剤売上

企業調剤売上(2023年)調剤併設率
ウエルシアHD約3,800億円約70%
ツルハHD約2,500億円約50%
マツキヨココカラ約1,800億円約40%
スギHD約2,200億円約60%
コスモス薬品約300億円約10%

調剤薬局が生き残る5つの戦略

生き残り戦略

1. 在宅医療への注力

ポイント内容
DgSの弱みを突くDgSは在宅対応が遅れている
参入障壁24時間対応・多職種連携はノウハウが必要
収益性時間あたり収益は外来の1.5〜2.5倍

2. 地域連携薬局の認定取得

メリット内容
差別化DgSでは取得困難な認定
報酬面連携体制加算の算定
ブランディング地域での存在感

3. 対人業務の深化

業務内容
薬剤師外来吸入指導・自己注射指導の専門外来
フォローアップ服薬後のフォロー電話・LINE
トレーシングレポート医師への処方提案
ポリファーマシー対策多剤服用の減薬提案

4. 専門性の確立

分野内容
がん専門がん患者の在宅支援
小児専門小児の粉砕・混合調剤
精神科専門向精神薬の継続管理
無菌調剤中心静脈栄養・麻薬注射

5. DXによる効率化

施策効果
電子薬歴記録時間の短縮
自動分包機調剤の効率化
オンライン服薬指導遠方の在宅患者に対応
在庫管理AI不動在庫の削減

今後の予測

時期予測
2025〜2027年DgSの調剤併設率が60%を超える
2027〜2030年独立系調剤薬局の淘汰が加速(年間1,000〜2,000店閉店)
2030年以降在宅・専門・DXに対応した薬局のみ生き残る

働く場としての違い:キャリア・働き方の構造比較

年収の絶対額は求人・地域・役職で大きくぶれるため、転職を考えるなら金額よりも「どんな経験が積める構造なのか」を比較するほうが本質的です。

比較軸調剤薬局ドラッグストア
業務の中心調剤・服薬指導・在宅訪問調剤に加えてOTC販売・売場運営
専門性の方向在宅・無菌調剤・認定資格など臨床方向OTCカウンセリング・店舗マネジメント方向
異動・転勤地域密着の会社が多く生活圏内が中心広域チェーンでは転居を伴う異動もあり得る
キャリアパス管理薬剤師 → エリアマネージャー・経営参画店長 → スーパーバイザー → 本部と小売型
在宅経験の積みやすさ積みやすい(体制のある薬局を選べば確実)会社・店舗による差が大きい
1日の業務リズム処方箋の波に連動物販ピーク・品出し等も含み多面的

「臨床方向に深めたいのか、小売・マネジメント方向に広げたいのか」。この軸で選ぶと、入社後のミスマッチを大きく減らせます。在宅方向のキャリアを考える場合は病院薬剤師 vs 在宅薬剤師の比較もあわせてご覧ください。

患者から見た違い:使い分けの視点

患者の立場では「どちらが優れているか」ではなく、状況による使い分けの問題です。薬局側は、この使い分けの構造を理解しておくと自局の強みを打ち出しやすくなります。

視点調剤薬局ドラッグストア
処方薬の相談調剤専任の薬剤師にじっくり相談しやすい混雑時間帯は待ち時間が読みにくいことも
日用品との同時購入基本的に不可の店舗が多い買い物ついでに完結できるのが強み
営業時間医療機関の診療時間に連動しがち夜間・休日も開いている店舗が多い
在宅訪問対応薬局が多く体制も蓄積対応はこれからの段階
かかりつけ機能同じ薬剤師に継続して相談しやすい店舗規模・シフトにより異なる

裏を返せば、調剤薬局が磨くべきは「相談のしやすさ」「在宅対応」「継続性」であり、利便性や価格で正面から競う必要はないということです。

まとめ

ポイント内容
DgSの成長調剤併設率は今後も上昇。門前立地だけでは厳しい
調剤薬局の強み在宅対応・専門性・対人業務の深さ
生き残りの鍵在宅+地域連携+専門特化の三本柱
最も危険なのは「門前で処方箋を待つだけ」の薬局

この記事は公開されている企業決算資料・厚生労働省データに基づいて作成しています。

よくある質問(FAQ)

ドラッグストアと調剤薬局、どちらが将来性がありますか?

一概にどちらが上とは言えません。ドラッグストアは物販と調剤の複合で成長中ですが、調剤薬局には在宅対応・専門性・対人業務の深さという構造的な強みがあります。危険なのは業態ではなく「門前で処方箋を待つだけ」という戦略の不在です。

調剤薬局はドラッグストアに淘汰されてしまいますか?

門前依存で差別化のない薬局は厳しくなる一方、在宅・地域連携・専門特化に取り組む薬局は共存できます。ドラッグストアが参入しにくい在宅医療の領域こそ、中小薬局の生存空間です。

ドラッグストア併設薬局と独立の調剤薬局は何が違いますか?

最大の違いは調剤の位置づけです。併設型では調剤は集客装置の一つで、物販との相乗効果が前提です。独立薬局では調剤と対人業務そのものが本業であり、収益も評価も調剤報酬に集中します。

薬剤師が転職するならどちらを選ぶべきですか?

臨床方向(在宅・無菌調剤・認定資格)に深めたいなら調剤薬局、OTCカウンセリングや店舗マネジメントに広げたいならドラッグストアが向いています。給与条件だけでなく「5年後にどんな経験が残るか」で比較するのがおすすめです。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月14日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

参考リンク


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出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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