「サービス担当者会議に呼ばれたけど、何を話せばいいか分からない」——在宅薬剤師が最初に戸惑うことの一つがこれです。
サービス担当者会議(サ担会議)は、ケアマネージャーが中心となって開催する多職種の会議です。ケアプランの新規作成や変更の際に開催され、訪問看護師、ヘルパー、リハビリ職、そして薬剤師が集まります。参加は任意ですが、出席するだけで「この薬剤師さんは積極的に関わってくれる」という評価につながります。
本記事では、サ担会議で薬剤師が「何を話すべきか」を、具体的な発言例とともに紹介します。
サ担会議の流れと薬剤師の出番
会議は通常30〜60分で、以下の流れで進みます。
まずケアマネが現在のケアプランの概要を説明し、各事業者に現在の状況確認を求めます。訪問看護師が身体状態を報告し、ヘルパーが生活面を報告し、リハビリ職が機能面を報告します。そして薬剤師には、薬に関する情報の共有が求められます。
ここで大切なのは、薬の専門用語を並べないことです。出席者の大半は薬学の知識がありません。「エンレスト50mgから100mgに増量されました」と言っても、ケアマネやヘルパーには意味が伝わりません。
代わりに、「心臓のお薬が強くなりました。血圧が下がりすぎることがあるかもしれないので、ふらつきや立ちくらみに注意してください」と言えば、全員が理解でき、行動につなげられます。
場面別の発言例
場面1:新規ケアプラン作成時
退院後の在宅移行で初めてのサ担会議が開催されるケースです。
薬剤師の発言例: 「現在のお薬は全部で8種類です。朝5種類、夕3種類で、朝はかなり量が多いです。一包化してお薬カレンダーにセットしますので、ヘルパーさんの朝の訪問時に飲めたか確認していただけると助かります。特に血圧のお薬は毎日飲むことが大事なので、飲み忘れがあればご連絡いただけますか。」
この発言のポイントは、他職種への具体的な協力依頼を含めていることです。「薬のことは薬剤師に任せてください」ではなく、「一緒にやりましょう」というスタンスが大切です。
場面2:転倒リスクが議題になっているとき
転倒はケアプランで最も頻繁に議論されるテーマの一つです。
薬剤師の発言例: 「転倒との関連で一つお伝えしたいのですが、現在飲まれている睡眠薬は、ふらつきの原因になることがあります。主治医に減量や変更を提案してみますので、もし夜中のトイレの回数など気づいたことがあれば教えてください。」
このように、薬と生活上のリスクを結びつけて話すと、多職種のアンテナが立ちます。ヘルパーが「最近、夜中に2回トイレに起きていると言っていました」と追加情報をくれることもあります。
場面3:食事量の低下が報告されたとき
薬剤師の発言例: 「食事量が落ちているとのことですが、もしかすると今飲んでいる鉄剤が原因かもしれません。鉄剤は胃の不快感を起こしやすいお薬なので、先生に服用タイミングの変更を提案してみます。食後に変えるだけで改善することもあります。」
食事はヘルパーや看護師が最もよく見ている領域です。そこに薬の視点を加えることで、原因不明だった問題が解決に向かうことがあります。
場面4:認知症の進行が議題のとき
薬剤師の発言例: 「認知症が進んできたとのことで、お薬の管理方法を見直す必要がありそうです。現在は声かけで自分で飲んでいただいていますが、重複して飲んでしまうリスクが出てきました。次回から、1日分だけをテーブルに出す形に変更しようと思います。残りはキッチンの上の棚に保管しますので、ヘルパーさんは手の届かない場所に置いてあることだけ把握しておいてください。」
オンライン参加のコツ
最近はサ担会議もオンラインで行われることが増えています。薬剤師は訪問スケジュールの都合で対面参加が難しいことも多いため、オンライン参加は良い選択肢です。
オンライン参加のコツとしては、事前にケアマネに「薬に関する報告は文書でも送りますので、会議で5分だけ時間をいただければ十分です」と伝えておくと、効率的に参加できます。
また、画面共有が可能であれば、お薬手帳のコピーや薬の写真を画面に映しながら説明すると、理解度が格段に上がります。
まとめ
サ担会議での薬剤師の役割は、「薬の情報を分かりやすく伝え、他職種と協力する」ことです。難しい専門用語は不要です。大切なのは、薬と生活を結びつけた具体的な話をすること。そして、他の職種への協力依頼を恐れないことです。
最初は緊張するかもしれませんが、3回も出席すれば慣れます。そして、出席するたびに顔を覚えてもらい、信頼が少しずつ積み上がっていきます。
この記事は筆者のサービス担当者会議参加経験に基づいて作成しています。

