シフト管理は、薬局とドラッグストアで「難しさのポイント」がまったく違います。薬局は薬剤師の配置と在宅訪問日の固定が要、ドラッグストアは登録販売者の常駐と長時間営業をどう回すかが要。本記事では両業態のシフト設計に共通する5つのルール、ツール選定の業態別おすすめ、業態別の実践シミュレーションまで、現場で使える形で解説します。
薬局・ドラッグストアのシフト管理が難しい理由【業態別】
薬局(調剤専業)のシフト管理
- 薬剤師の常駐が必須(開局時間中は最低1名)
- 在宅訪問日の固定が必要で、不在中の店舗運営をどう設計するか
- 急な欠勤時に代替薬剤師を確保しづらい(薬剤師不足)
- レセプト月初・月末のピーク時に人員が偏る
ドラッグストア(物販+OTC)のシフト管理
- 登録販売者の常駐が必須(営業時間中は1名以上)
- 長時間営業・24時間営業の店舗で、パート・アルバイトを多用
- 大量の品出しを、いつ・誰が・何人で行うかが生産性に直結
- 売上ピーク(土日・夕方・特売日)に合わせた人員強化
- パート急欠時の代替確保が日常的に発生
調剤併設型ドラッグストアのシフト管理
近年増加している調剤併設DGSは、上記2つの難しさを掛け合わせた状態。薬剤師+登録販売者+一般スタッフの3層のシフトを同時に組む必要があり、最も難易度が高い業態です。
シフト管理ツールの比較【業態別おすすめ】
主要ツール一覧
| ツール | 料金目安 | 薬局 | 調剤併設DGS | 物販DGS | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Excelテンプレート | 無料 | ◯ | △ | △ | 小規模なら十分。属人化リスク |
| Airシフト | 無料〜 | ◎ | ◯ | ◯ | 使いやすさで人気・小〜中規模向け |
| シフオプ | 月数百円/人 | ◯ | ◎ | ◎ | 中〜大規模・チェーン向け |
| SHIFTEE | 月数百円/人 | ◯ | ◎ | ◎ | 薬剤師・登録販売者の自動配置に対応 |
| R-Shift | 応相談 | △ | ◎ | ◎ | 大規模チェーンDGS実績 |
薬局の規模・業態別おすすめ
- 小規模薬局(薬剤師2〜3人):Excelテンプレート or Airシフト
- 中規模薬局(薬剤師4〜8人)/ 調剤併設DGS:シフオプ・SHIFTEE
- 大型物販DGS・多店舗チェーン:R-Shift・シフオプの大規模プラン
シフト作成の5つのルール【業態別補足あり】
ルール1:最低配置人数を決める
業態ごとの「最低限の人員」を文書化し、これを下回るシフトは組まないルールを徹底します。
- 薬局:薬剤師1名以上、処方箋40枚/日なら薬剤師2名+事務1名
- 調剤併設DGS:薬剤師1名+登録販売者1名+一般スタッフ1〜2名
- 物販DGS:登録販売者1名+一般スタッフ2〜3名(売場規模による)
ルール2:在宅訪問日・品出し日を固定する
業態ごとに「外せない業務日」を固定し、その日のシフトを最初に決めます。
- 薬局:在宅訪問日(火・木 など)を固定。訪問担当の代替薬剤師を必ず店舗に配置
- DGS:大型納品日(火・金 など)に品出し人員を厚く配置。納品当日に売場補充を完了させる
ルール3:希望休の提出ルール
- 希望休は前月15日までに提出(チャットアプリ・ツール上で)
- 1人あたり月5日まで、繁忙日(特売日・月末等)は要相談
- パート急欠率の高いDGSでは「代替候補リスト」を別途準備
ルール4:長時間営業・24時間対応のシフト設計
- 薬局の24時間対応:オンコール輪番制+代休消化のセット運用
- DGSの長時間営業:早番・遅番・通し(フル)の3パターンで組み、休憩時間を厳守
- 労働基準法の連続勤務日数・休憩取得を必ず守る(深夜手当25%増、休憩45分以上 等)
ルール5:急な欠勤対応フロー
- 連絡受付窓口を一本化(店長LINE 等)
- 代替候補リストを30分以内に連絡できる体制で常時アップデート
- 代替が見つからない場合の対応マニュアル(営業時間短縮・他店からのヘルプ等)を事前作成
業態別シフト設計の実例
小規模調剤薬局(薬剤師3人 / 処方箋80枚/日)
- 固定要素:在宅訪問日(火・木)、レセプト月初の人員配置
- ツール:Excel または Airシフト
- 急欠対応:本部応援、近隣薬局との応援契約
調剤併設ドラッグストア(薬剤師2+登販3+一般5)
- 固定要素:調剤稼働時間中の薬剤師、営業時間中の登録販売者
- ツール:SHIFTEE または シフオプ(資格者配置の自動チェック機能を活用)
- 急欠対応:登録販売者の応援、近隣店舗との人員融通
大型物販ドラッグストア(登販5+一般10)
- 固定要素:登録販売者の最低1名配置、特売日・大型納品日の人員強化
- ツール:R-Shift・シフオプ大規模プラン
- 急欠対応:エリアマネジメントによる店舗間応援
よくある質問
Q. 24時間営業のドラッグストアで、登録販売者のシフトはどう組みますか?
A. 早番・遅番・深夜の3シフトに分け、各シフトで登録販売者を最低1名確保することが原則です。深夜帯は派遣・委託で補う運用も増えています。シフト管理システム導入で資格者配置を自動チェックすると、配置漏れリスクが下がります。
Q. 登録販売者が急欠したらどう対応すべきですか?
A. ①近隣店舗からの応援、②エリアマネジャー経由の人員融通、③営業時間短縮や第一類医薬品の販売停止 の順で対応します。店舗ごとに「代替不可時の運用フロー」を事前に文書化しておくことが重要です。
Q. 在宅訪問を増やしたいけど、店舗シフトが回りません
A. 在宅訪問日を週2日に固定し、その日は店舗に薬剤師2名を配置(うち1名が訪問、1名が店舗待機)する設計が現実的です。薬局の残業削減方法で紹介している業務効率化策と組み合わせると、シフト自由度が一気に上がります。
Q. パート薬剤師・パート登販を増やすメリットは?
A. ピーク時間帯だけの2〜4時間勤務を組みやすく、人件費効率と柔軟性が両立します。フルタイム1人を新規採用するより、パート2〜3人で時間帯を埋める方が、シフト変動への耐性が強くなります。
まとめ:業態に合った設計とツール選びが残業削減・離職防止の両方に効く
シフト管理は単なる事務作業ではなく、残業削減・離職防止・採用力強化のすべてに直結する経営課題です。薬局・ドラッグストアでは業態ごとに「難しさのポイント」が違うため、自店の業態に合った5つのルールとツール選びが鍵になります。
まずは「最低配置人数」と「固定すべき業務日」を文書化することからスタートしましょう。そこから希望休ルール・急欠対応フロー・ツール選定へと段階的に整備すれば、シフト作成にかかる時間も、現場の不公平感も大きく減らせます。
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出典・参考(一次情報)
本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。
- 厚生労働省(診療報酬・介護報酬の告示・通知・疑義解釈資料)
- WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)(介護報酬・介護保険制度の解説)
- e-Gov法令検索(健康保険法・介護保険法などの条文)
最終更新日:2026年7月14日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

