在宅薬剤師の訪問バッグの中身|持ち物リスト完全版

在宅薬剤師の訪問バッグの中身|在宅ファーマ

在宅薬剤師として初めての訪問を控えたとき、「何を持っていけばいいの?」と不安になった記憶があります。店舗にいれば必要なものはすぐ手が届きますが、在宅の現場には忘れ物を取りに帰る余裕はありません。

本記事では、在宅訪問で本当に必要な持ち物を、重要度別に整理してお伝えします。初心者の方はもちろん、「もう何年もやっているけど、見落としがあるかもしれない」というベテランの方にも参考にしていただけるはずです。


目次

バッグ本体の選び方

中身を並べた在宅訪問用バッグ
バッグは「肩掛けで両手が空くか」「立てたまま中身が見えるか」で選ぶ。

まず大前提として、バッグは両手が空くリュック型かショルダー型をおすすめします。患者さんの自宅では玄関先で靴を脱いだり、階段を上がったり、車のドアを開け閉めしたりと、手がふさがると不便な場面が多いです。

サイズはA4書類が入る程度が目安。あまり大きすぎると、狭い玄関先で邪魔になります。撥水加工がされているものだと、雨の日も安心です。

色は清潔感のある黒やネイビーが無難です。白衣を着たまま訪問する場合は、白衣の内ポケットも収納スペースとして活用できます。


必須アイテム(毎回必ず持っていくもの)

薬剤関連

当日お届けする薬剤は当然として、それ以外にも持っておくべきものがあります。

お薬手帳のシールは必須です。患者さんの手帳に貼り付けるため、あらかじめ印刷して準備しておきます。手帳をお預かりするのではなく、シールをお渡しする運用にすると、患者さんも安心です。

お薬カレンダー(セット済み) も、一包化した薬をセットした状態で持参します。前回のカレンダーの残りを確認することで、飲み忘れの状況が一目で分かります。

薬情(薬剤情報提供書) も忘れやすいアイテムです。在宅患者さんの場合、ご家族やヘルパーさんが薬を管理していることも多いので、分かりやすい薬情を一緒にお渡しします。

バイタルサイン測定機器

機器用途価格帯
血圧計(上腕式)降圧薬の効果確認5,000〜15,000円
パルスオキシメーターSpO2、脈拍の測定3,000〜10,000円
体温計感染症の兆候確認1,000〜3,000円
聴診器肺音・心音の確認(上級者)5,000〜20,000円

すべてを毎回使うわけではありませんが、「持っていたから早期に気づけた」というケースは少なくありません。パルスオキシメーターは特に、コロナ以降の在宅訪問では必携品になりました。

記録・事務用品

スマートフォンやタブレットは、薬歴の参照や訪問記録の下書きに使います。最近は訪問先でタブレットに直接入力するスタイルの薬剤師も増えていますが、電波状況が悪いエリアもあるため、紙のメモ帳もバックアップとして持っておくと安心です。

名刺は意外と見落としがちですが、初回訪問の際はもちろん、ケアマネさんやヘルパーさんと初めて顔を合わせた際にも必要です。普段の調剤薬局業務では名刺を使う機会が少ないかもしれませんが、在宅では名刺は「信頼の入り口」です。


あると便利なもの

訪問先の玄関に立つ在宅担当の薬剤師
季節と患者の状態に合わせて、持ち物は毎回少しずつ入れ替える。

ペンライトは、口腔内を確認する際や、薬のシートの刻印を暗い場所で読む際に重宝します。100円ショップのものでも十分です。

手指消毒用アルコールは、訪問先に入る前と出た後に必ず使います。コロナ以降は患者さん側も気にされるので、見える場所で消毒するのがマナーになりました。

ビニール袋は、残薬を回収する際や、使用済みの貼り薬を回収する際に使います。大きさ違いで数枚持っておくと便利です。

簡易懸濁法の道具として、注射器(シリンジ)と温度計を持っておくと、嚥下困難な患者さんへの薬の準備を訪問先で実演しながら説明できます。ご家族に手技を覚えてもらう際に非常に有効です。


季節・状況別の追加アイテム

季節によって追加で持っておきたいものも変わります。

夏場は、保冷バッグと保冷剤が必須です。インスリンなど温度管理が必要な薬を運ぶ際はもちろん、車の中に薬を置いておくと室温が上がりすぎるため、保冷対策は欠かせません。また、自分自身の熱中症対策として、飲料水やタオルも車に常備しておきましょう。

冬場は、感染対策用のマスクの予備を多めに持ちます。また、路面凍結でスリップしやすい地域では、訪問先の駐車場所にも注意が必要です。

感染症流行時は、フェイスシールド、使い捨てガウン、手袋を追加します。コロナやインフルエンザが流行する時期は、患者さん自身が体調を崩しているケースも多く、感染防護は自分を守るためにも重要です。


バッグの中身チェックリスト

最後に、毎朝出発前にチェックできるリストをまとめます。

カテゴリアイテム
薬剤当日のお届け薬一式
薬剤お薬手帳シール
薬剤薬剤情報提供書
薬剤お薬カレンダー(セット済み)
測定血圧計
測定パルスオキシメーター
測定体温計
記録スマートフォン/タブレット
記録メモ帳+ペン
記録名刺
衛生手指消毒アルコール
衛生マスク(予備含む)
衛生手袋
その他ペンライト
その他ビニール袋
その他保冷バッグ(夏場)

まとめ

訪問バッグの中身は、そのまま在宅薬剤師の仕事の幅を表しています。最初は必要最低限のものから始めて、経験を積むにつれて「これも持っておけばよかった」と気づくものが増えていきます。

一つだけアドバイスをするなら、「迷ったら持っていく」 です。車に荷物を置いておけば邪魔にはなりません。持っていて使わなかったものは多少の労力ですが、持っていなくて困ったものは取り返しがつきません。


この記事は筆者の在宅薬剤師としての実務経験に基づいて作成しています。


参考リンク


あわせて読みたい

出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月14日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

よくある質問

Q. 在宅訪問用のバッグはどんなタイプを選べばいいですか?

A. 両手が空くリュック型かショルダー型がおすすめとされています。玄関先で靴を脱いだり、階段を上がったり、車のドアを開け閉めしたりと、手がふさがると不便な場面が多いためです。サイズはA4書類が入る程度が目安で、撥水加工があると雨の日も安心です。色は清潔感のある黒やネイビーが無難とされています。

Q. 在宅訪問に毎回必ず持っていくべきものは何ですか?

A. 当日お届けする薬剤に加えて、お薬手帳のシール、セット済みのお薬カレンダー、薬情(薬剤情報提供書)が必須とされています。さらに血圧計・パルスオキシメーター・体温計などのバイタルサイン測定機器、スマートフォンやタブレット、バックアップ用の紙のメモ帳、そして初対面の際の名刺も挙げられています。

Q. 在宅訪問にパルスオキシメーターは必要ですか?

A. SpO2と脈拍の測定に使う機器で、コロナ以降の在宅訪問では特に必携品になったとされています。バイタル測定機器はすべてを毎回使うわけではありませんが、「持っていたから早期に気づけた」というケースは少なくないとされており、異常の早期発見のために持参する価値があります。

Q. 夏場の在宅訪問で追加したほうがいい持ち物はありますか?

A. 保冷バッグと保冷剤が必須とされています。インスリンなど温度管理が必要な薬を運ぶ際はもちろん、車内に薬を置くと室温が上がりすぎるため保冷対策は欠かせません。また、薬剤師自身の熱中症対策として、飲料水やタオルを車に常備しておくことも挙げられています。

あわせて読みたい関連記事

\ 在宅算定の取りこぼし、ありませんか? /

「在宅算定 点数早見表 2026年版」+「併算定可否早見表 2026年版」(PDF・2大特典)を、LINE友だち追加した方全員にプレゼント中。介護報酬・診療報酬の改定や疑義解釈の最新情報も、いち早くLINEでお届けします。

LINE登録して2大特典PDFを受け取る(無料) 自分の薬局の算定漏れを無料診断する
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

目次