在宅で家族が用意するもの・準備リスト|薬剤師の初回訪問前にチェックしたいこと

在宅で家族が準備するもの|在宅ファーマ

ご家族が「薬剤師さんに家まで来てもらう(在宅訪問)」ことになったとき、「何を用意すればいいの?」「部屋を片づけないといけない?」と不安になる方は多いです。結論から言うと、特別な準備はほとんど要りません。ただ、いくつか手元にそろえておくと初回の訪問がぐっとスムーズになります。本記事では、ご家族が初回訪問の前に用意しておくとよいもの・準備を、やさしく整理してご紹介します。

目次

そもそも薬剤師の訪問では何をするの?

薬剤師の訪問(在宅訪問)では、ご自宅に薬を届けるだけでなく、次のようなことを行います。どれもご本人が安心して薬を続けられるようにするためのものです。

  • 飲んでいる薬が体に合っているか、飲み方に困っていないかを確認する
  • 飲み忘れや飲み残し(残薬)がないかを見て、整理する
  • 薬の効果や副作用が出ていないか、体調の変化を一緒に確認する
  • 医師やケアマネジャー、訪問看護師と情報を共有する

つまり薬剤師は、薬の「配達係」ではなく、お薬を通じてご本人の暮らしを見守る役割を担います。だからこそ、普段の様子がわかるものや、困っていることを教えていただけると助かります。依頼の流れや費用の目安を知りたい方は、薬剤師の自宅訪問を頼むには?もあわせてご覧ください。費用は状況で変わるため、具体的な自己負担額は担当の薬局にご確認ください。

初回訪問の前に用意しておくと安心なもの

「これだけあれば大丈夫」というものを表にまとめました。すぐ出せる場所に置いておくと、初回の訪問がスムーズです。

用意するものなぜ必要かポイント
今飲んでいる薬すべて重複や飲み合わせを確認するため別の病院・市販薬・サプリも全部
お薬手帳薬の履歴をまとめて確認するため電子版アプリでもOK
残っている薬(残薬)飲み残しを整理し、ムダを減らすため「捨てないで」置いておく
保険証・医療や介護の証類確認や手続きに使うことがある手元に出しておくと安心
お薬の困りごとメモ短時間で要点を伝えるため「飲みにくい」「いつ飲むか迷う」など

特に大切なのが、今飲んでいる薬と残っている薬を「全部」出しておくことです。別の病院でもらった薬や市販薬、サプリメントも含めて見せていただくと、飲み合わせの確認ができ、より安全になります。「これは関係ないかな」と思うものも、念のため出しておくと安心です。お薬手帳の便利さは電子お薬手帳は在宅でこそ活きるでも紹介しています。

部屋や環境の準備|片づけは最小限でOK

「家を片づけなきゃ」と気負う必要はありません。生活の様子を知ることも薬剤師の大切な仕事だからです。ありのままの暮らしを見せていただくほうが、かえって的確なアドバイスにつながります。ただ、次の3点だけ意識していただけると助かります。

  • 薬を置いている場所を1か所にまとめておく:あちこちにあると確認に時間がかかります
  • ご本人が座れる場所を用意する:説明や体調の確認をしやすくなります
  • ご本人の様子がわかる人が同席する:普段の飲み方を知る人がいると話が早いです

当日、家族が伝えるとよいこと

薬剤師は限られた時間で状況を把握します。ご家族から次のようなことを伝えていただけると、より的確なサポートにつながります。話しづらいことも、遠慮なく共有していただいて大丈夫です。

伝えるとよいこと具体例
薬の飲み方で困っていること「大きくて飲み込みにくい」「回数が多くて混乱する」
最近の体調の変化「食欲が落ちた」「日中うとうとしている」
生活で気になること「一人の時間が長い」「介護する家族が疲れている」
他に受けているサービス訪問看護・デイサービス・ヘルパーなど

飲み忘れが多い場合は、服薬カレンダーなどの道具が役立つこともあります。選び方は服薬カレンダーの選び方を参考にしてください。薬剤師から提案してもらえることも多いので、まずは困りごとを遠慮なく伝えていただくのがいちばんです。

こんなときはどうする?よくある場面

初回訪問の前に、ご家族が迷いやすい場面への対応をまとめました。

  • 本人が訪問を嫌がる:「薬の相談に来てくれる人」とやわらかく伝え、無理強いはしません。薬剤師も本人のペースに合わせます
  • 当日、家族が立ち会えない:困りごとをメモに書いて渡す、電話で補足するなど方法はあります。事前に薬局へ相談を
  • 薬がどこにあるかわからない:見つかる範囲で構いません。当日一緒に探すこともできます

準備に迷ったら|まずは薬局に相談を

ここまで準備の話をしてきましたが、いちばん大切なのは「完璧に準備すること」ではなく、困りごとを正直に伝えることです。準備が整わなくても訪問は問題なく行えます。不安なことがあれば、初回訪問の前に担当の薬局へ電話で相談しておくと、当日ぐっと安心して迎えられます。薬剤師はご家族の心強い味方です。どうか気負わず、いつものご様子で迎えてください。

初回訪問当日の流れ

初めての訪問は、だいたい次のような流れで進みます。あらかじめ知っておくと、当日落ち着いて迎えられます。

流れ内容
あいさつ・自己紹介薬剤師が役割を説明します。身構えなくて大丈夫です
お薬の確認今の薬・残っている薬を一緒に確認します
お話をうかがう飲み方の困りごとや体調の変化を聞きます
今後の相談訪問の頻度や次回のことを一緒に決めます

時間は状況によりますが、初回はお話をよくうかがうため、少し長めになることがあります。急かされることはありませんので、気になることは遠慮なくお話しください。

2回目以降に向けて家族ができること

初回が終わったら、次の訪問までにご家族ができることもあります。無理のない範囲で構いません。

  • 薬を決めた場所に置く:毎回同じ場所にあると管理がしやすくなります
  • 気づいたことをメモする:「この薬を飲むと眠そう」など、小さな変化も次回の役に立ちます
  • 飲み残しはそのまま残す:次回、薬剤師が確認して整理します

ご家族だけで抱え込まず、薬剤師や訪問看護師、ケアマネジャーと一緒に見守る体制をつくることが、いちばんの安心につながります。

費用や制度が不安なとき

「訪問してもらうといくらかかるの?」という不安はもっともです。費用は加入している保険や状況で変わるため、ここで金額を断言することはできません。正確な自己負担の目安は、担当の薬局やケアマネジャーに確認するのがいちばん確実です。

多くの場合、訪問にかかる費用は制度にもとづいて決まっており、内容もていねいに説明してもらえます。わからないまま不安を抱えるより、遠慮なく質問してください。依頼の流れや費用の考え方は薬剤師の自宅訪問を頼むには?でもやさしく解説しています。

こんな変化に気づいたら相談を

次のような様子が見られたら、早めに薬剤師に伝えてください。小さなことでも、薬の見直しのきっかけになることがあります。

  • 前より薬を飲み残すようになった
  • 飲んだあとに、ふらつき・眠気・食欲の変化が出た
  • 薬を飲むのを嫌がる、混乱している様子がある
  • 新しく別の病院の薬や市販薬を飲み始めた

まとめ|気負わず、困りごとを伝えることから

薬剤師の訪問前に、特別な準備はほとんど要りません。今飲んでいる薬と残っている薬を全部出しておき、お薬手帳を用意し、困りごとをメモしておく——これだけで初回はスムーズに進みます。部屋の片づけも最小限で構いません。いちばん大切なのは、完璧に準備することではなく、困っていることを正直に伝えることです。薬剤師は、お薬を通じてご本人とご家族の暮らしを見守る味方です。不安なことがあれば、初回訪問の前に薬局へ気軽に相談してください。どうか気負わず、いつものご様子で迎えていただければ大丈夫です。

よくある質問(FAQ)

薬剤師の訪問前に家を片づける必要はありますか?

特別な片づけは要りません。生活の様子を知ることも薬剤師の仕事だからです。ただ、薬を置いている場所を1か所にまとめておき、ご本人が座れる場所を用意しておくと、当日の確認がスムーズになります。

用意しておくものは何ですか?

今飲んでいる薬すべて(別の病院の薬・市販薬・サプリも)、お薬手帳、残っている薬、保険証や医療・介護の証類、困りごとのメモがあると安心です。特に薬は「全部」出しておくと飲み合わせの確認ができます。

残っている薬は捨てておいたほうがいいですか?

捨てずに置いておいてください。飲み残し(残薬)を整理することも訪問の目的のひとつで、次のお薬の調整やムダを減らすことにつながります。

当日は家族が同席したほうがいいですか?

ご本人の普段の様子や飲み方を知っている方が同席すると、短い時間でも状況が伝わりやすくなります。難しければ、困りごとをメモに書いて渡す方法でも大丈夫です。

監修・編集:在宅ファーマ編集部(薬剤師・実務7年目)
最終更新日:2026年7月9日
本記事は厚生労働省の告示・通知や公的資料を確認のうえ作成しています。最新の算定要件・点数は各年度の改定内容と原典で必ずご確認ください。

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師(実務7年目)。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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