オンライン服薬指導のやり方と算定要件ガイド

オンライン服薬指導の様子

コロナ禍を機に解禁されたオンライン服薬指導。2022年の薬機法改正でさらに規制が緩和され、初回からオンラインで対応できるようになりました。しかし、「やり方がよく分からない」「算定要件が複雑」という声はまだ多く聞かれます。

本記事では、オンライン服薬指導の始め方から算定のポイント、在宅との組み合わせ方まで、実践的に解説します。


目次

オンライン服薬指導とは

オンライン服薬指導とは、ビデオ通話を使って薬剤師が患者に服薬指導を行うことです。2020年9月に正式に解禁され、2022年の法改正でさらに使いやすくなりました。

従来の対面指導との最大の違いは、患者が薬局に来なくてよいという点です。これは、移動が困難な高齢者、遠方に住む患者、仕事で薬局の営業時間に来られない人にとって大きなメリットです。

ただし、「電話だけ」はオンライン服薬指導には該当しません。映像と音声の両方を使ったビデオ通話が必須です。これは、患者の表情や身体の状態を視覚的に確認するためです。


算定要件の整理

オンライン服薬指導を算定するにあたっての要件を整理します。2022年の改正後、かなりシンプルになりました。

基本要件

まず、薬局側にビデオ通話が可能な環境(PC・タブレット+カメラ+ネット回線)が必要です。患者側はスマートフォンがあればOKです。

服薬指導はプライバシーが確保された場所で行う必要があります。調剤室の一角にパーティションを立てるなどの工夫で対応している薬局が多いです。

算定できる報酬

指導の種類算定点数条件
服薬管理指導料(オンライン)45点3月以内に対面指導の実績がある場合
服薬管理指導料(通常対面)59点参考:対面の場合
かかりつけ薬剤師指導料(オンライン)59点かかりつけの同意がある場合
在宅患者オンライン薬剤管理指導料57点在宅患者へのオンライン指導

対面より点数は低くなりますが、移動時間がゼロになることを考えると、時間あたりの生産性はむしろ上がるケースがあります。特に在宅の遠方患者に対しては、訪問の合間にオンラインを挟むことで効率が大幅に上がります。

注意点

処方箋の受付方法にも注意が必要です。オンライン服薬指導の場合、処方箋は原本を後日受け取るか、電子処方箋で対応します。2023年から始まった電子処方箋との併用が最もスムーズです。

薬の配送は、品質管理の観点から配送方法に注意が必要です。温度管理が必要な薬剤(インスリンなど)はクール便を使うか、後日来局してもらう必要があります。


導入の実際

必要なシステム

専用のシステムを導入する方法と、汎用のビデオ通話ツールを使う方法があります。

専用のシステムは「CLINICS」「curon(クロン)」「YaDoc」などがあり、予約管理、ビデオ通話、決済までを一元管理できます。月額1〜3万円程度のコストがかかりますが、運用がスムーズです。

一方、LINEのビデオ通話やZoomなどの汎用ツールでも、要件を満たせばオンライン服薬指導は可能です。コストを抑えたい小規模薬局にはこちらの選択肢もあります。ただし、セキュリティの観点から、録画やデータの取り扱いには注意が必要です。

オンライン服薬指導の流れ

実際のオペレーションは以下のように進みます。

①予約受付: 電話やLINEで予約を受け付けます。「○曜日の○時にオンラインでお願いします」と患者から連絡が入ります。

②処方箋の受付: 医療機関からFAXで処方箋を受け取るか、電子処方箋で受信します。

③調剤: 通常通りに調剤を行います。

④ビデオ通話で服薬指導: 約束の時間に、ビデオ通話で患者に薬の説明をします。画面越しに薬の実物を見せながら説明すると、患者の理解度が上がります。

⑤薬の配送: 配送業者を使って患者の自宅に届けます。またはご家族に取りに来ていただきます。

⑥薬歴記入: 「オンラインにて実施」と明記して薬歴を記入します。


在宅×オンラインの活用法

在宅薬局にとって、オンライン服薬指導は「訪問の代替」ではなく、「訪問を補完するツール」として活用するのがベストです。

たとえば、月に4回の訪問が必要な患者さんに対して、2回は訪問、2回はオンラインという組み合わせが考えられます。これにより、移動時間を削減しつつ、服薬フォローの頻度を維持できます。

特に効果が高いのは、退院直後の患者さんへのフォローです。退院後1週間は体調の変化が起きやすい時期ですが、毎日訪問はできません。オンラインなら、5〜10分の短い確認を毎日行うことが可能です。


まとめ

オンライン服薬指導は、もはや「先進的な取り組み」ではなく、薬局の標準サービスになりつつあります。特に在宅薬局にとっては、訪問効率を大幅に改善できるツールです。

まずはLINEのビデオ通話など、コストをかけずに始められる方法で試してみてください。患者さんの反応は想像以上にポジティブです。


この記事は厚生労働省の通知および筆者の実務経験に基づいて作成しています。


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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長
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