調剤報酬改定が在宅薬局に与える影響|2024年改定のポイント総まとめ

2年に一度の調剤報酬改定は、薬局経営に直結する最重要イベントです。近年の改定は「対物業務から対人業務へ」「在宅医療の推進」という方向性が明確で、在宅薬局にとってはチャンスとリスクの両面があります。

本記事では、最新の改定内容を在宅薬局の視点から整理し、経営への影響と対策を解説します。


目次

調剤報酬改定の基本

改定のしくみ

項目内容
改定頻度2年に1回(偶数年の4月)
決定プロセス中医協(中央社会保険医療協議会)で議論→答申→告示
影響範囲調剤基本料・各種加算・薬学管理料すべて
改定率全体の方向性を示す(プラス改定 or マイナス改定)

近年の改定トレンド

年度主なテーマ在宅への影響
2016年かかりつけ薬剤師制度の創設かかりつけ加算の新設
2018年対物→対人業務の推進薬歴管理の厳格化
2020年オンライン服薬指導の解禁在宅のオンライン活用が可能に
2022年地域連携薬局の評価連携体制加算の拡充
2024年在宅・かかりつけ機能の強化在宅関連加算の引き上げ

在宅関連の主な報酬項目

居宅療養管理指導

区分単位数月の算定回数
単一建物1人517単位月4回まで
単一建物2〜9人378単位月4回まで
単一建物10人以上341単位月4回まで
がん末期・中心静脈栄養上記+週2回・月8回まで

在宅患者訪問薬剤管理指導料

区分点数月の算定回数
在宅患者訪問薬剤管理指導料1650点月4回まで
在宅患者訪問薬剤管理指導料2320点月4回まで
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1500点月4回まで
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2200点月4回まで
麻薬管理指導加算100点算定のつど
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算250点算定のつど

各種加算一覧

加算名点数条件
在宅移行初期管理料230点退院後の在宅移行時
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料40点処方変更の提案が採用された場合
服薬情報等提供料130点医師への情報提供
服薬情報等提供料220点患者・家族への情報提供
ターミナルケア加算2,000点看取り期の患者への対応

改定が薬局経営に与える影響

改定タイムライン

収益シミュレーション

シナリオ在宅患者数改定前月間収益改定後月間収益差額
小規模10名30万円33万円+3万円
中規模30名90万円100万円+10万円
大規模50名150万円168万円+18万円

プラス要因

項目内容
在宅関連加算の引き上げ訪問1回あたりの単価UP
多職種連携の評価充実サービス担当者会議参加等の評価
かかりつけ機能の強化かかりつけ加算の要件緩和

マイナス要因

項目内容
調剤基本料の引き下げ圧力特に大型門前薬局
後発医薬品体制加算の見直し数量ベースから金額ベースへの移行議論
対物業務の評価引き下げ単純な調剤・投薬のみでは減収

改定に備える3つのアクション

1. 在宅患者数を増やす

手段内容
ケアマネへの営業地域の居宅介護支援事業所への訪問
施設との契約特養・老健・グループホームへの提案
退院時カンファ参加病院の地域連携室との関係構築

2. 算定漏れを防ぐ

よくある算定漏れ対策
麻薬管理指導加算チェックリストでの確認
服薬情報等提供料情報提供のテンプレート化
在宅移行初期管理料退院連携フローの整備
ターミナルケア加算看取り期の判断基準を共有

3. 新しい加算に対応する体制づくり

項目内容
研修の受講新設加算の算定要件を全員が理解
マニュアル更新改定後の算定フローを改訂
システム対応レセコンの更新確認

まとめ

ポイント内容
改定の方向性「在宅・対人業務」を評価する流れは加速
在宅薬局への影響適切に算定すればプラス改定
最重要アクション算定漏れ防止と在宅患者数の拡大
情報収集中医協の議論を日常的にチェック

この記事は厚生労働省の公開資料および中医協の議事録に基づいて作成しています。


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