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【2026年最新】居宅療養管理指導の算定要件と単価|算定フロー・収益シミュレーション・NGケース完全ガイド

居宅療養管理指導の算定要件と単価|在宅ファーマ

薬局薬剤師の居宅療養管理指導(介護保険)は、対象患者・医師等の指示・訪問と薬学的管理・記録と情報提供をそろえて算定します。このページでは算定要件と実務の流れを確認できます。回数・間隔の確認は居宅療養管理指導の回数上限、医療保険の要件は在宅患者訪問薬剤管理指導料の総合ガイドをご覧ください。

「算定漏れ」や「返戻」を防ぐためにも、最新の算定要件を体系的に理解しておくことが重要です。本記事では、薬剤師による居宅療養管理指導の算定要件を整理しています。居宅療養管理指導費は2024年度の介護報酬改定で定められた単位数・要件が、2026年度も続いています。

日々の実務で迷ったときに立ち返れるリファレンスとしてご活用ください。


📌 2026年の改定で点数は変わった?
居宅療養管理指導費(介護保険)は2026年は据え置きですが、医療保険側(在宅患者訪問薬剤管理指導料)は2026年6月に改定されています。詳しくは 居宅療養管理指導の点数は2026年に変わった?(最新の改定整理) をご覧ください。

要介護の有無・訪問形態・単一建物の人数を選ぶだけで、2026年6月改定に対応した算定点数・回数上限がわかる無料の判定ツールを、このページの末尾に置いています。下の早見表とあわせてご活用ください。

目次

居宅療養管理指導とは|対象者と介護保険適用の基本

高齢者の自宅で服薬指導を行う訪問薬剤師
訪問先の居間での服薬指導。居宅療養管理指導は患者の生活の場で行う。

基本の定義

居宅療養管理指導は、介護保険に基づくサービスです。通院が困難な要介護・要支援の患者に対して、薬剤師が居宅を訪問し、薬学的管理指導を行った場合に算定します。

在宅薬局にとっては、訪問1件ごとに算定できる主力の報酬であり、在宅業務の収益性を左右する最も重要な算定項目です。

医療保険との違い

同じ「在宅での訪問薬剤管理指導」でも、患者の状態によって使う保険が異なります。

項目居宅療養管理指導(介護保険)在宅患者訪問薬剤管理指導(医療保険)
根拠法介護保険法健康保険法
対象者要介護・要支援認定者通院困難な患者(介護認定なし)
算定回数月4回まで月4回まで
給付管理ケアマネジャー等への情報提供が必要医師の指示が必要
優先関係介護認定ありの場合はこちらを優先介護認定なしの場合に算定
利用者負担1〜3割(介護保険の自己負担割合)1〜3割(医療保険の自己負担割合)
区分支給限度基準額対象外(ケアプランの枠外)—

ポイント: 要介護認定を受けている患者には、原則として介護保険の居宅療養管理指導を算定します。居宅療養管理指導は区分支給限度基準額の対象外であるため、他のサービスの利用枠を圧迫しません。

算定のフロー全体像

算定フロー

薬剤師が居宅療養管理指導を算定するまでの流れは以下の通りです。

ステップ内容関係者
①医師の指示処方箋交付 or 訪問指示書医師
②ケアマネジャー等への情報提供ケアプラン作成等に必要な服薬情報を提供するケアマネジャー
③訪問実施居宅を訪問し、薬学的管理指導を行う薬剤師
④記録作成薬歴に訪問日時・指導内容・患者の状態を記録薬剤師
⑤報告書作成・送付処方医に訪問結果を報告薬剤師→医師
⑥ケアマネへの報告毎月の訪問実績・服薬状況等を報告薬剤師→ケアマネ
⑦レセプト請求介護保険で請求薬局事務

算定要件(4つの柱)

1. 医師の指示

薬剤師による居宅療養管理指導を行うには、医師または歯科医師の指示が必要です。

指示の形態説明
処方箋の交付処方箋の発行をもって指示とすることが可能
訪問指示書別途書面で指示を出すケースもある
口頭指示緊急時は可能だが、事後に書面化が望ましい

訪問の必要性について医師と事前に確認しておくことが望ましいです。特に新規患者の場合は、医師に「在宅訪問が必要な患者である」ことを確認する一手間が返戻防止につながります。

2. 訪問の実施と薬学的管理指導

薬剤師が患者の居宅を訪問し、以下の業務を行います:

  • 薬歴管理:服用薬・副作用歴・アレルギー歴の把握
  • 服薬指導:薬の効果・副作用・飲み合わせの説明
  • 服薬状況の確認:残薬チェック、コンプライアンスの把握
  • 薬学的管理:処方提案、剤形変更提案、減薬提案
  • バイタルサイン確認:血圧、脈拍、体温等の確認(必要に応じて)
  • 生活環境の確認:保管状況、一包化の要否、服用補助具の提案

重要: 「薬を届けただけ」では算定できません。薬学的管理指導の実施が必須要件です。

3. ケアマネジャー等への情報提供

薬剤師は、医師・歯科医師に報告したうえで、ケアマネジャーにケアプラン作成等に必要な情報を提供します。ケアプランへの記載だけで算定要件を満たすわけではありません。ケアマネジャーによるケアプラン作成がない場合には別の情報提供の取扱いがあるため、通知の7(3)③および7(4)①を確認してください。

タイミング対応
新規開始時ケアマネに「居宅療養管理指導を開始する」旨を連絡
毎月訪問実績・服薬状況をケアマネに報告
状態変化時服薬状況の変化・処方変更等をケアマネに共有
サービス担当者会議できるだけ参加する(対面 or 書面)

4. 報告書の作成と送付

訪問後、医師に対して訪問結果の報告を行う必要があります。

報告内容記載事項
服薬状況残薬の有無、飲み忘れの頻度
副作用の有無患者の訴え、バイタルの変化
処方提案剤形変更、用法の見直し、減薬提案
患者の全体状態ADL、認知機能、食事・水分摂取量
次回訪問予定次回訪問の目安

報告手段はFAX、メール、トレーシングレポートなど。電子薬歴システムから自動出力する仕組みを作ると効率化できます。


報酬単位数の早見表【2026年版】518・379・342単位

薬剤師が行う場合の単位数

区分単一建物居住者1人同2〜9人同10人以上
薬局の薬剤師518単位379単位342単位
病院・診療所の薬剤師566単位417単位380単位

この単位数は2024年度改定後の水準で、2026年は据え置きです(次の通常改定は2027年度の見込み)。改定の有無や医療保険側との違いは居宅療養管理指導の点数は2026年に変わった?点数表と改定の有無で整理しています。

※ 居宅療養管理指導費は全国共通で1単位=10円です。東京23区を含め、地域区分による単価の上乗せはありません。

居宅療養管理指導の1単位は全国共通10円

居宅療養管理指導費の単価は、東京都福祉局:地域区分(令和6〜8年度)・サービス種類ごとの1単位の単価の居宅療養管理指導の行をご確認ください。

サービス1単位の単価地域区分の扱い
居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導10円全国共通。東京23区でも10円
訪問介護・訪問看護等サービスと地域により異なる他サービスの地域単価を居宅療養管理指導に適用しない

算定回数の上限

疾患月の算定回数上限
通常月4回まで
がん末期・中心静脈栄養・注射による麻薬の投与月8回まで(週2回かつ月8回)

あわせて、月2回以上算定する場合は算定日の間隔を6日以上空ける必要があります(上記の3類型は対象外)。レセプト返戻の原因として多い項目です。週1回で算定してよいかなど、回数と間隔の具体例は居宅療養管理指導は月何回まで?週1回の可否と間隔ルールにまとめています。

収益シミュレーション

在宅患者数に応じた居宅療養管理指導の月間収益目安:

在宅患者数訪問回数/月月間収益(概算)年間収益
10名(個人宅中心)40回約20万円約240万円
20名(個人宅+施設)60回約28万円約336万円
30名(施設中心)80回約30万円約360万円
50名(個人宅+施設混合)120回約50万円約600万円

施設在宅は効率が良い反面、1人あたりの単価が下がります。個人宅と施設のバランスを取ることが重要です。


算定できないケース

薬局のバックヤードで訪問記録を確認する薬剤師
算定できるかどうかは訪問前の記録確認で決まることが多い。

以下の場合は算定できません。返戻リスクを避けるためにも確認しておきましょう。

ケース理由対処法
通院が可能な患者「通院困難」が要件医師の意見書で通院困難を確認
医師の指示がない指示が必須処方箋 or 指示書を確認
単なる薬の配達のみ薬学的管理指導の実施が必要指導記録を必ず残す
介護認定を受けていない患者に介護保険で算定医療保険で算定する保険の種類を確認
同一月に医療保険と介護保険を併算定併算定不可どちらか一方を選択
ケアマネへの情報提供を行っていない算定要件毎月の報告を忘れずに

オンラインの居宅療養管理指導【46単位】との使い分け

2022年の法改正以降、オンライン服薬指導でも居宅療養管理指導の算定が可能になっています。

項目対面オンライン
算定通常通り可能(一定の要件あり)
単位数通常(518単位等)46単位(対面の518単位等とは別設定)
要件居宅への訪問映像・音声による薬学的管理指導
初回—原則対面で実施
通信環境—患者側の環境確認が必要
算定上限月4回対面と合わせて月4回

オンライン服薬指導は、遠方の患者や感染症流行時に有効ですが、初回は対面で信頼関係を構築し、2回目以降にオンラインに移行するのが望ましいです。


施設在宅の算定のポイント

施設の種類と算定の可否

施設マップ
施設種別居宅療養管理指導理由
特別養護老人ホーム△ 原則算定不可例外として末期悪性腫瘍の患者は算定可
有料老人ホーム○ 算定可居宅扱い
グループホーム○ 算定可居宅扱い
サービス付き高齢者住宅○ 算定可居宅扱い
小規模多機能型居宅介護○ 算定可居宅扱い
介護老人保健施設× 算定不可施設の薬剤師が管理
介護医療院× 算定不可施設の薬剤師が管理

施設種別ごとの判断は施設種別×居宅療養管理指導の算定可否 早見表で、グループホーム・サ高住・小規模多機能まで含めて整理しています。

「単一建物居住者」の数え方

施設在宅では「同一月に同一建物に居住する利用者のうち、当該薬局が訪問した人数」で区分が決まります。

人数単位数金額(1単位=10円)
1人518単位5,180円
2〜9人379単位3,790円
10人以上342単位3,420円

施設在宅では10名以上を一度に訪問することが多いため、1件あたりの単価は下がりますが、移動時間が短縮されるため時間あたりの効率は高くなります。

施設在宅の経営ポイント

ポイント説明
効率1施設で10名以上を1回の訪問で対応可能
単価個人宅(518単位)の約66%(342単位)
時間効率1名あたりの所要時間は個人宅の半分以下
安定性長期的な取引になりやすい
リスク施設との契約解除で一度に大量の患者を失うリスク

実務上のチェックリスト

毎日の業務で確認すべきこと

  • □ 訪問前に処方箋(=医師の指示)を確認したか
  • □ 薬学的管理指導を実施し、記録を残したか
  • □ 患者の服薬状況・残薬・副作用を確認したか
  • □ 薬歴に訪問日時・指導内容・患者の状態を記録したか

毎月の業務で確認すべきこと

  • □ ケアマネへの月次報告を送付したか
  • □ 医師への報告書を作成・送付したか
  • □ 算定回数が上限(月4回)を超えていないか
  • □ 介護保険と医療保険の使い分けは正しいか

新規患者の受入時

  • □ 要介護認定の有無を確認したか
  • □ ケアマネジャー等へ必要な情報を提供し、記録したか
  • □ 医師の指示を確認したか
  • □ 初回訪問で十分な薬学的管理指導を行ったか

算定の取りこぼしについて

算定できるのに、算定していない項目はありませんか。

在宅の算定でいちばん多い損失は、要件を間違えることではなく、要件を満たしているのに算定されていないことです。レセコンの帳票には毎月印字されているため、社内では気づかれないまま続きます。

実際にあった例では、ある店舗で毎月400件台だった加算が、改定の施行月を境に0件になっていました。影響額は月あたり約22万円規模です。

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まとめ

  • 居宅療養管理指導は介護保険のサービス。要介護認定者に対して算定する
  • 算定の4つの柱:医師の指示、訪問実施、ケアマネジャー等への情報提供、報告書作成
  • 薬局の薬剤師の単位数は1人518単位、2〜9人379単位、10人以上342単位
  • オンライン服薬指導でも算定可能(初回は原則対面)
  • 施設在宅は効率が良いが単価が下がるため、個人宅とのバランスが重要
  • 返戻を防ぐためにも、毎日・毎月のチェックリストで確認を習慣化する

改定で点数は動きます。最新版でいつでも再チェック

2026年6月改定で算定間隔が「中6日 → 週1回」に変わったのは、医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料です。介護保険の居宅療養管理指導費は従来どおり「算定日の間隔は6日以上」のままで、単位数も据え置きです。この2つは混同しやすいのでご注意ください。ページ末尾の判定ツールは2026年6月改定に対応しています。

この記事は介護保険法および関連告示・通知に基づいて作成しています。最新の算定要件は厚生労働省の告示・通知をご確認ください。


参考リンク


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出典・参考(一次情報)

本記事の点数・単位数・算定要件は、公開時点の厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料等にもとづいています。実際の算定にあたっては、必ず最新の一次資料をご確認ください。

あわせて読みたい:予防居宅療養管理指導と居宅療養管理指導の違い|対象者・点数・算定要件を比較
要支援の方は「予防居宅療養管理指導」。違いと点数はこちらで整理しています。

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よくある質問(FAQ)

居宅療養管理指導の算定要件は?

算定の主な確認点は、①医師・歯科医師の指示に基づく薬学的管理指導計画、②訪問と薬学的管理・指導、③記録と医師・歯科医師への報告、④ケアマネジャー等への必要な情報提供です。ケアプランへの記載の有無だけで判定せず、ケアプラン作成がない場合の取扱いも含めて原典を確認します。

薬局薬剤師が算定する単位数は?

介護保険の居宅療養管理指導費(薬局薬剤師)は、単一建物居住者が1人=518単位、2〜9人=379単位、10人以上=342単位です。介護報酬は3年ごとの改定(次回2027年度)で、2024年度改定後の単位数が2026年も据え置きです。

医療保険と介護保険のどちらで算定しますか?

要介護・要支援の認定を受けている方は介護保険の「居宅療養管理指導費」、認定のない方は医療保険の「在宅患者訪問薬剤管理指導料」で算定するのが原則です。両者を同一月に重複して算定することはできません。

訪問回数に上限はありますか?

介護保険の居宅療養管理指導は原則として月4回までです。ただし、がん末期・中心静脈栄養・注射による麻薬の投与を受けている方は週2回かつ月8回まで算定できます。また、月2回以上算定する場合は算定日の間隔を6日以上空ける必要があります(上記3類型は対象外)。

週1回の訪問でも居宅療養管理指導は算定できますか?

算定できます。算定日の間隔が6日以上あればよく、週1回(7日間隔)はこれを満たします。上限は月4回(がん末期・中心静脈栄養・注射による麻薬投与の患者は月8回)で、5週ある月の5回目は算定できません。

週1回の訪問は算定できる?(2026年版)
  • 週1回(7日間隔)の訪問は算定できます。「算定日の間隔は6日以上」を満たすため、毎週同じ曜日の定期訪問がいちばん事故が少ない組み方です
  • 上限は月4回。5週ある月の5回目は算定できません(がん末期・中心静脈栄養・注射による麻薬投与は月8回)
  • 「中6日」の数え方と月またぎの例は居宅療養管理指導は月何回まで?の早見表にまとめています

この記事の根拠資料

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この記事を書いた人

薬剤師マルのアバター 薬剤師マル 在宅ファーマ編集長

薬剤師。公認スポーツファーマシスト/サプリメントアドバイザー。調剤薬局・在宅医療の現場経験をもとに、在宅薬剤師と薬局経営者へ向けて、算定・実務・経営のリアルな情報を発信しています。記事は厚生労働省の告示・通知や公的データ・業界資料を確認のうえ作成し、最新の改定情報の反映に努めています。

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